頂き女子

頂き女子の話、なかなかド外れていてすごいが、女も、はまるバカ男も、ホストとかも、実はオレはかなり共感できたりする。こんな詐欺まがい(あるいは詐欺そのもの)に引っかかって何千万もつぎ込む男はバカに違いないが、これは、もう、ファンタシーだよねえ。もうさあ

Is this the real life? Is this just fantasy?

って思わず口ずさんでしまうよ。

いまのこの日本の世の中だけど、すべからく人間というのは昔からそういうものだとはいえ、社会を見る側の人間があるファンタシーに冒されていれば、日本の世間はすでに餓鬼や畜生ばかりが闊歩する地獄の様相そのものでしょう。

そんな世界を日々見て生活しているときに、そこに、頂き女子が現れてファンタシー提供してくれれば、カネがあれば逃避ぐらいするさ。いや、オレはすでにもう、それは、逃避だとも思わない。

社会全体がひとつの大きな詐欺である、と言ってひとつもおかしくない、そういう世界がひたすら進行している。その只中で、自分こそ正常であり正義であり少なくとも騙されていない、と自信を持って語っている人の方こそ、オレには愚かに見える。

そのむかし、小林秀雄を熟読し、そして、長らく敬遠していた池田晶子をようやくいま読んでいる自分は思うが、その昔、小林が世の中に絶望し、20年後に池田が世の中に絶望し、さらに20年後にオレが世の中に絶望している。

そして小林が鮮やかに言い放ったように

「絶望の中から物を言わんと願う者は詩人である」

ということ「のみ」を信じて、小林秀雄も、池田晶子も、文を紡いでいるわけだ。願わくばこのオレもそうであらんことを、ってことだ。

でもね、絶望な世の中に沿ってただ生存しているだけの大多数に比べれば、この頂き女子や騙されるバカ男の方が何倍いいか分からない。ましてや、絶望に気づこうともしない体のいい秀才については、なにをかいわんやだ。

Anyway the wind blows…

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です