知的障害者の人たちがいる施設でコーヒーの自家焙煎と販売をしてて、そこで3種類のコーヒーを買って、家で淹れてみたんだけど、なかなかおいしい。豆の種類でちゃんと味がはっきり変わるし、なに飲んでもあんまり変わらないどこぞのブランドよりよほどいいかも。
彼ら、日がなコーヒー豆を焙煎したり、悪い豆を一粒づつよけたりする、そういう仕事に向いているんだそうだ。
すぐ思い出したけど、そういう彼らが湖でボートに乗って遊んで、その感想文を集めたのを見たことがあって、その中に「ボートが右や左に行っておもしろかったです」という感想があって、けっこうその文にノックアウトされた。
いわゆる健常者の僕が言うとホントに変に聞こえるので困るのだけど、ああ、ボートが右や、左に、曲がっただけで物凄く楽しいんだろうな。きっとオレも5歳児ぐらいのときは、彼らと同じ感動を感じてたんだろうな、と思うと、なんだか今の自分が痛ましい気がしてくる。
同じ無邪気な喜びを得るために、今のオレはなんと紆余曲折したややこしい感覚を追い求めなければ済まないことだろう、と思うと人間の能力ってなんなんだ、って思う。