ミッドサマー

友人が紹介してた映画の「ミッドサマー」。スウェーデンから撤退してしばらく忘れてたけど、この映画の題名を見て反射的に鮮明に思い出した。

この映画は怖い。

オレはスウェーデンに十年住んでいたが、現地で毎日見ていたスウェーデン人の振る舞いが、この映画にはっきり描かれていて、自分的に怖くて仕方なく、この映画、何度も見たよ。たぶん、今夜、改めて全編見ると思う。

スウェーデン人の何が怖いかは、たぶん、僕がいくら言葉であれこれ説明しても伝えるのは無理だと思う。ところがこのミッドサマーはそれを見事に描き切っている。

たぶん、こんなことをネイティブのスウェーデン人に言ったら気を悪くして、賛同しないと思うけど、極東のアジア人の僕がスウェーデンに長く暮らして、見て、経験して、感じたところのものは、この映画に描かれた「怖さ」なの。

実は日本人はあまり知らないと思うけど、スウェーデンは同調圧力の国です。しかし、その同調圧力は、日本人の同調圧力と、根っこが根本的に違っていて、同じ同調圧力なのに、こうまで違うか、と十年間で思い知った。で、僕から見ると、スウェーデンのそれは「怖い」同調圧力なの。

おそらく、ある種のスウェーデン人は、日本の同調圧力を見て僕と同じく「怖い」と感じるだろうと思う。よく自分は思うが、二次大戦の時のアメリカ人が、日本の神風特攻隊に対して本能的な恐怖を抱いたのと、同じものがあると思う。

根本的なところが異なっている生物同士というのが出会うと、相手に対する恐怖というのが、まず心理と生理の底の底から湧き上がってくるものだと思うが、その恐怖を極力見えなくすることを「文明」と言うのかしらん、とまで思う。

僕の十年スウェーデン暮らしは、結局、そこはかないけど、はっきりした苦手感覚で終わったのだが、その根底には恐怖があるんだよ。

あー、うまく説明できずもどかしい。でも、オレは「見た」んだよ。で、このミッドサマーという映画を初めて見て、オレ、狂喜したよ。これだよ、これ!って感じ。

スウェーデン人の人、読んでたら気を悪くしないでね。ある意味、これ、お互い様だから。

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