ちょっとしたホビー工作をするのに、モーターを見てるんだけど、探しても探しても中国製で、日本製で自分が知ってるのって、マブチとタミヤぐらいで、探してみるんだけど、プロ用と子供用の間の製品がごそっと抜けている印象で、逆にその中間の領域の製品は中国製が圧倒的。

で、これまた中国って、こういう、なんか、どーでもいいホビー用ニッチな製品を、よくもまあ、これだけの種類作るなあ、と呆れるレベルで揃っている。もちろん、そのうちの何割かは不良品のゴミで、買うのは賭けに近いんだけど、それにしてもゴミじゃないのもあるわけで、やっぱり品揃えがすごい。

こういうのってさあ、どんな分野にも言えてるんだけど、いわゆる「層が厚い」というやつで、こういうどーでもいい系のモノがふんだんに作れて揃ってる、というのが、その国の文化を支えるもっとも大切なことなのよねえ。

昔の日本はその層の厚さで、たとえば、マンガとかアニメの隆盛に見るような世界レベルのトップ作品の製作能力を支えてたんだけど、たかが工作用モーターで考えすぎかもだけど、こういう経験をすると、日本はもうダメかも、って思っちゃう。日本でいま残ってる層の厚い分野って飲食店ぐらいか?って思ったりする。

いまの何不自由なく育った政治家や官僚には、この層の厚さの重要さを理解する人があまりいないらしく、彼ら、結局、国でトップを張れる層にばかりカネを出して、そういうどーでもいい中間層、しかし実はもっとも大切な層を、丸ごと無視する政策しか打たないしね。

中間の厚い層を国が支援するとしたとき、たとえばどうすればいいかというと実は簡単で、カネで特定のものを支援するんじゃなくて、カネをばらまいてそのままにしておけばいい。植物に水をまくのと同じで、一定量の水を毎日まけばいい。

こんな簡単なことは無いのだが、官僚側から見るとこんな難しい策は無い、という風になってしまうところが問題なんだろうな。というのは、官僚の仕事というのは、まず目的を設定して、施策を立てて、金額を見積り、出せる金を施策に従って与え、その結果を当初の目的と比べて達成度を測る、というサイクルでしか動けないから。

一方、支援しようとする中間層は、基本的に無名で無目的なので、そもそも目的化できない。「カネのばらまき」が官僚の仕事にならないということは、官僚は動かない、ということになる。そのときは今度はカネのばらまきが得意な政治家の出番になるのだが、その政治家がこの「層の厚さの意味」を理解していないとそもそも彼らそのばらまきを思いつきもしないことになる。

そうこうしている間に、空洞化はどんどん進んで、ある点を超えると、そこでその分野は終了するだろうな。現在、空洞化がどれぐらい進んでいるか知らないけど、まー、もうダメっぽいので、あとはまったり暮らしましょ。

中国製買って当たり外れしながら(笑

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