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それではまず、ブラインド・ウィリー・マクテルです。

実は僕はこの人が大好きで、それもあってトップで取り上げてます。12弦ギターを弾く盲目のギタリスト&シンガーです。鼻にかかったちょっと甲高い甘い声が特徴です。決してシャウトしたり迫力を出したりせずに、軽く歌っている感じがすごくいい。

では、聞いてみましょう。落ち着いたレイドバックした感じですよね。



この人のレパートリーは、ブルースからラグタイム、ゴスペル、流行歌と幅広く、なんでも歌ったそうです。レコーディングもけっこうしてはいますが、基本ほとんどストリートで流して一生を暮らしていたようです。

マクテルもそうですが、イーストコーストのブルースマンはけっこうラグタイムの影響を受けた音楽をやる人が多く、軽くて明るい軽快な音楽をたくさん残しています。

あとマクテルは知的で独立心が強かったそうで、ニューヨークの盲学校で点字を学び、いくつかのアメリカの大都市のストリートを熟知していたとのことです。その彼も、長年のアルコール中毒と糖尿だったそうで61歳に亡くなっています。しかし昔のブルースマンは酒を浴びるように飲んで早死にする人多いですね。もっともブルースマンに限らずだったでしょうが。

マクテルの曲で、期せずして昔のロックファンならみな知っているカバーにStatesboro Bluesがあります。かのオールマン・ブラザーズ・バンドの伝説的なフィルモアイーストライブのトップでやったご機嫌なシャッフルナンバーが、実はマクテルの曲なのです。