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はい、それではブルース以前のエンターテイメント音楽のそれ以外をまとめて紹介しちゃいましょう。

いわゆるジャズ(Jazz)的な音楽はブルースが生まれるより前にありました。ジャズの起源もそれほどはっきりしないんですが、ヨーロッパから渡ったいろんな楽器を使って集団でバンドで演奏するジャズは古くからあったんです。この写真は1800年代後半の初期のジャズバンドの写真で、よく見ると、コントラバスのようなベース、ギター、トランペット、トロンボーン、クラリネットなどの楽器が見えます。

ちょっと音を聞いてみてください。これって、いわゆるディキシーランド・ジャズですよね、1917年の録音だそうです。でも、なんとなく響きが古臭い感じですよね。古いアメリカ映画によく出てくるディキシージャズって感じ。



こういった黒人ミュージシャンで編成されたジャズバンドは、演劇やいろんなショーなどに入り、稼いでいたようです。いわゆるインプロヴィゼーション(アドリブ)もすでに行われていました。

ジャズに加え、ラグタイムという音楽もすでにこの頃からありました。有名なのはScott Joplinですね。聞いてみてください、これもけっこう聞きなれたらラグタイムの陽気な響きですよね。



あと、教会で歌われた音楽にゴスペルがあります。黒人の教会は独特で、礼拝堂で歌われるいわゆる賛美歌も黒人風にアレンジされ、みなかなり激しく歌って踊ったそうです。ゴスペルは昨今、日本でも流行って、ゴスペル教室で習ったりするぐらいになりましたから知っている人も多いでしょう。ゴスペルの起源はブルースより古い1800年代からあったのだから驚きですよね。

以上、ジャズ、ラグタイム、ゴスペルと駆け足で紹介しましたが、これらは集団で歌って踊っていうノリが共通していて、基本、黒人音楽のダンスミュージック的なところを作っていった、という感じが大きいと思います。