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さて、以上でブルースの誕生の歴史とその意味について語ってきました。

1900年ごろに黒人の中に生まれたブルースという音楽は、ほぼまたたく間に黒人たちの間に広まっていったようです。1920年代に入ってレコーディングをしてレコードをプレスして量産できるようになると、ブルースのレコードが黒人客層ターゲットの商売として始まります。

それで、レコーディングが始まった1920年代後半ぐらいから戦争(2次大戦)が起きる1940年ぐらいまでの間にレコーディングされたブルースを一般に戦前ブルースと呼びます。

ところでエレキギターが本格的に使えるようになったのは1940年以降なので、戦前ブルースはほとんどアコースティックです。しかも、ギター一本で弾き語りする形態が一番多かったようです。

今の僕らのようにギターという楽器に先入観が無かったからなのか、もう、あの手この手でいろんな奏法をこれでもかというほど発明しているのが戦前のブルースマンの面白いところです。

というわけで、講義の後半は、この戦前ブルースのいろんなブルースマンたちを一人ずつ取り上げて、その音源を聞きながら紹介してゆきましょう。

このころのブルースには、その地域によって何となく特色があります。よく3つぐらいに分けることが多いのでここでもそうします。ミシシッピーデルタブルース、テキサスブルース、そしてイーストコーストブルースです。