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肥溜めと餓鬼

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わざわざ作った肥溜めかどうかは分からないが、周辺に大便や、尻を拭く紙、用を足したあとに尻をぬぐう籌木 (小さな木のヘラ)が散乱しているところからも、真ん中のこれは糞の池であることが分かる。

その糞の池に二匹の餓鬼が腰まで浸かって糞尿をむさぼり食っている。左上の三匹目は池の外に落ちた糞をすくって、なんとなく微妙な表情で口に運んでいるが、ようやく食べられるものにありつけた、みたいな嬉しなさけない感じの顔に見え、なかなか秀逸な表情である。

肥溜めの周辺には盛り土が三つあり、いちばん奥のものには塔婆なども立っているところから、墓だと思われるが、そのすぐ隣にこのような共同の便所のようなものがある、というのも興味深い。