さて、この1800年後半に黒人たちはどんな音楽をやっていたのでしょう。
まず、これは実はアメリカの黒人音楽に限らずどこの国でもそうだと思うんですが、当時の音楽には「民族的」な音楽と「エンターテインメント的」な音楽がありました。
まあ、これは今でもそうとも言えますよね。単純に言うと民族音楽っていうのは自分たちのためのローカルな日常の音楽で、アマチュアの音楽みたいなもの。で、エンターテインメント音楽はプレーヤーとお客さんがいて客から見るとお出かけして聞くもので、プレイヤーはプロってわけです。まあ、アマとプロっていうか。
で、民族音楽系では、「ワークソング」と「フィールドハラー」ってのがありました。
で、エンターテインメント系ではいろいろあったんですが、「バラード」、「ゴスペル」、「ジャズの楽団」みたいなのがありました。
もちろん、これらの音楽はこんな風に明快に分けられるわけじゃなくて、いろいろオーバーラップしたりしてるんですが、このレクチャーは民俗学の話ではないので、わりと強引に分類してます、お許しを。興味を持った方はぜひ、いろいろ調べてみて、僕に教えて下さい(笑)
それでは、以上の初期の黒人音楽をひとつひとつ音源を聞きながら見てゆきましょう。