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はい、次はブルースの歌のメロディについてです。

ブルースのメロディはふつうブルーノートと呼ばれる音階で作ります。ではブルーノートというのはどういう音階かと言うと、これは実はそれなりに諸説あるみたいなんですが、きわめて一般的に言うと上のスライドの通りです。

長調のドレミファソラシドの3番目、5番目、7番目の音をフラットさせて作った音階です。なぜこうなるのかはよく分かりませんが、黒人が元々のアフリカから持ち込んだ音階感とアメリカにすでにあった音階とがミックスされてできた、みたいに言われることがありますが真相は分かりません。

ここで特に3度の音をフラットしていますが、この3度の音はメロディが長調的になるか短調的になるかに大きく影響する部分で(それにしても、なんでそうなるんでしょうね? 不思議)、ブルースではここをフラットするのでメロディは短調的になりちょっと悲しい響きに聞こえます。

もっとも黒人たちが歌うメロディをよくよく聞いてみるとこの3度は完全に半音下がりはせず少し中途半端に下がった感じがあります。

あと5度のフラットをカッコに入れてますが、これはフラットしない5度も使う、という程度の意味です。7度も半音下がり、これがいわゆるブルースにつきもののセブンス(7th)の音です。

実はこのブルーノートの解説は主にジャズの世界での解説で、ブルースの歌のメロディを調べてみるとこれほど音数はなく、もっとシンプルです。今回の話は音楽解説じゃないのでこれ以上深入りしませんが、ペンタトニックという5つの音で説明されることが多いです。音階で言うと「1、3フラット、4,5、7フラット」の5つです。

もっともメロディの話というのは以上の音階だけじゃまったくの片手落ちで、この音階をどのように時間に沿って繰り出すかが重要なんですが、それはすごく体系化しにくいのですね。

以上で「音楽形式のブルース」を終わって、次は「意味としてのブルース」に行きましょう。