さて、10/23のライブを前にして、オレンジドロップ交換と中途半端な電解コンデンサー増量をやったところまでお話した。その後、秋葉原へ行ってさらに必要な部品を全部そろえることにしていたのだけど、どうしてもその余裕がない。そんなときにうちの奥さんが、そんなの通販で買えばいいじゃん、と言われ、たしかにその通り! 秋葉へ行くことばかり考えていて思いつかなかった。
ということで、若松通商であれこれ購入。ネット振込みができれば、こいつはラクだ、自宅で何もかもできちゃう。出歩く必要がまったくない、まったく世の中変わったもんだ。ただ、ちょっと困っちゃうのは、抵抗やコンデンサーなどの10円、20円の小部品が100本単位でしか売ってなかったりする。まあ、一本換算1、2円なんで買っちゃえば後々便利なのだが。
とにかく、そんなわけで、前回の秋葉で購入したPRESECE CONTROL用の小VRの取り付けと、通販で購入した電解コンデンサーによる電源フィルターコンデンサの正規増量をライブ前の駆け込みで前日に決行した。
PRESENCE CONTROLの取り付け
まずはプレゼンスである。前々回紹介したBillmさんのサイトにあるように、前面パネルのFATスイッチの下にあるスペースに穴を開けてそこにボリュームを取り付ける。スペースは狭いので、使うボリュームも小型のものを使う。今回は秋葉で探した次のアルプスの小VRを使った。
30kΩがなかったので、これは20kΩでB型である。お次は穴あけだが、今回は、FATスイッチの真下、パネルの下側の端から1cmのところに7mm程度の穴を開けた。次の通りである。
鉄の筐体の上にステンレスの板がかぶさっているので、穴あけはなかなか大変だけど、小さい径から始めて、順に広げながら開けて行く。最後にリーマーでVRの軸が入る径まで広げた。
このPRESENCEのVRをつける回路上の位置だけど、前々回の記事のように今回はR25の両端につけた。配線はあっさりと細いビニール線で以下のようにやっておいた。
Billmさんの改造では、ここに細いシールド線を使っているようである。さっき元記事を探して見たのだけど、見失ってしまったのだが。Billmさんの改造がR25の両端を使っているかも、実はよく分からない。ひょっとすると、前々回記事に書いたように、線の片方をグランドに落としているかもしれない。そのようにすると、PRESENCEを上げたときの高音がギラギラが少なくなり、比較的平均にディストーションが増える感じになる。このへんは好みなので、後でいろいろやってみようと思う。
電解コンデンサー増量
これは簡単である。電源回路の4つの電解コンデンサの値をすべて倍にする、というものである。場所は、C25の47μF、450V、C26, C27, C28の22μF、450Vである。これらの上に同じ値の電解コンデンサをパラに半田付けする。次の通りである。
基板の上にプラスとマイナスの表示があるので間違えないように半田付けすれば、それでOKである。
発振止め
もろもろの改造をした後、改めて鳴らしてみたのだけど、なんだかボリュームをゼロにしても低い音のノイズが聞こえてくる。フィルターコンデンサを増量しているのにハムはおかしい。うーむ、と思いあれこれ調べてもよく分からない。しかし、位相反転へ入るところの結合コンデンサに指を近づけるとギャーっと鳴り出す。これは明らかな発振だ。うーん、巨大なオレンジドロップを向きを変えて取り付けたせいかな、と思い、せっかく変えたのに悲しいが元のコンデンサに戻した。
しかしそれでも状況は改善しなかったのである。仕方ないので本格的に調べるべくオシロスコープを引っ張り出し、スピーカーの両端にプローブを当てて見てみた。
すると、なんだかほぼ正弦波に近い信号が見えている。あ、これがあのノイズか、と思ったのだけど、オシロの設定を見ると、いや違う。これって40kHz付近の超音波だ。しかもなんとなんとp-pで45Vもある。45Vで8Ωだとなんと33ワットである! ほんとかな? まあ、なんにしても、これはきわめてまずい。40kHzでは聞こえるわけじゃないが、パワー段の回路をそれだけ使いまくっているということで、いいわけがない。
これについては、ありがたいことにBillmさんのページに対処法が書いてある。Billmさんによればこの発振現象は、クリーム色の基板のBlues Juniorで、特に裏板を外したときに起こることが多いそうである。周波数も44kHzから48kHzていどで、僕の場合とぴったり合っている。位相反転段の不正発振だそうである。
対処法は、基板から真空管ソケットに伸びているリボンケーブルの形状を変えることである。まだ、自分の写真を撮っていないのでBillmさんの写真を流用させてもらうが以下の通りである。
手前の2つの細めのリボンケーブルは2本の6BQ5へ行く線だが、これらを下側にへこませる。そして、その次の広めのリボンケーブル(位相反転管の12AX7へ行く線)を、写真のように、手前に引き出すように手で変形させる。特に広い方は、山型にするのだが、真空管ソケット側の部分を裏板を閉めたときの、その裏板に沿わせるような感じに変形する。
裏板にはアルミホイルが貼ってあり、これがシールドの役割をするのだが、このアルミ箔とリボンケーブルの間に小さな浮遊容量(コンデンサ分)を作ってそれで超高域成分を逃がして発振を止める、ということらしい。
実際にやってみたら、3本のリボンケーブルを変形させるだけで、裏板を閉めなくとも発振はピタリと止まった。すばらしい! これで裏板を閉めれば完璧である。以上、詳しくはBillmさんのサイトのココにあるので参照していただきたい。
そういうわけで、以上で発振は止まったが肝心の低い音のノイズはというと、なんだか止まってしまったようである。
というわけで、これで今回は終了である。あとはこれをライブに持ち込んで実地テストだ!