50年代ブルースアンプ

例によって試作版のドブルース専用アンプ

これまたえらくマニアックでニッチなプロジェクトですいません、って感じ。ハイゲインミニアンプが途中のまま、こっちに手をつけちゃったので、まだあんまりまとまってないけど、まずはご紹介のみで失礼します。

なんでこんなことをやっているかというと、もう何回も出させてもらっている大倉山Muddy’sっていうライブバーがありまして、そこが去年からときどきBLUES NIGHTっていう企画をやってて、それに出たいなー、なんて思ってたんです。そしたら今年になってなにげにTwitterながめてたら、Muddy’sのTWEETが流れてきて「3/19ブルースナイトやります、出演者募集中!」とか書いてたんで、うお! ってばかりに、その場でTWEET返信で「林正樹、出ます出ます!」とツイッターエントリーしちゃったんです。

僕のメインのバンドはジミヘン調のブルースロックで、歪みを踏んでソロ、みたいな世界なんですが、実は、かなり前々から、いわゆる「どブルース」ってのをやりたかったんです~

僕はジミヘンに30過ぎで出会うまでは、黒人ブルース一本やりの典型的なブルース野郎で、ブルースロックですら認めない超偏狭なヤツだったんですよね。聞いたり演奏したりするのは全部、黒人ブルース、それも、1930年とかの戦前弾き語りブルース、あるいは1950年のシカゴブルースとか、そんなディープなのばっかり。

30過ぎてそれがイヤになっちゃったところにJmi Hendrixが救世主のように現れて、古い黒人たちのためのじゃなくて、オレのジェネレーションのためのJimiのブルースに出会い、頭をガツンと一発やられて目からうろこが十数枚落ちて、それで今に至る、なのです。

とはいえ、やっぱり自分のルーツの古い黒人ブルースを今、また、やりたい、という気持ちはずっとあり、いろいろアイデアを暖めてはいたんですね。でも、なかなかそれが実現しなくてね。で、新年になって、Muddy’sのアナウンス見て飛びついちゃったわけ。ライブ入れちゃえば、やらざるを得ないもんね。もっとも、バンド、まだ、無いんだけど(笑)

さてと。どブルースをやるからには、ギターの音をなんとしても「どブルース」にしたい、という気持ちが強く、ここでも紹介してるBlues Jrの改造版はちょっとダメなんだよね。あれはやっぱりなんだかブルースロックなんだわ。

というわけで、どブルースアンプが欲しいな、とあれこれ考えて、いま実験中で、それがこのアンプね。

話し始めると長いんだけど、上のこのアンプね、これただのオーディオアンプで、ギターアンプじゃないんです。なのでこのままCD出力入れていいスピーカーをつなぐと、けっこうオーディオ的にいい音がするんです。回路的には6BM8を2本使ったプッシュプルアンプでパワー段は3極管接続です。

結合コンデンサーのたぐいも大きな値を使ってギターアンプのように低域は削らない。さらに電源回路はシリコンで、チョーク使って、でかい電解コンデンサーを入れてレギュレーションをよくしてる。つまりあんまり信号を圧縮するコンプレスがかからないようにしてる。ホントは固定バイアスにしたいところだけど、とりあえず今のところ自己バイアス。参考までに回路はこんな感じ

カメラで撮った汚い回路図失礼! こんど差し替えます

まったく変哲ないオーディオアンプに3極管の電圧増幅が2段付いてる回路です。

いったいなんでこんなことやっていると言うと、いわゆるオーディオアンプにギターを突っ込んで弾いてみると、時々、わりと1950年代のブルースギタリストの音になったりする、という経験からです。

どんな音を目指しているかというと、こんな音です。

Reconsider Baby by Lowell Fulson

この音、変でしょう~? 録音は1950年あたりで、使ってるギターはたぶんフルアコ、で、アンプがまったくの謎なんだわ。このころの黒人ギタリストの、弾いているギターの情報は何となくあるので分かるんだけど、アンプは全然わかんないんだよね。いったいどんなアンプを使うとこんな音がするんだろう?? 音がぜんぜん伸びなくて、ダイナミックレンジが広そうで、歪んではいないけど何となくトップノートにちょっと歪みが乗って、独特だよね~

ってなわけで、この音を目指して現在、試作中ってわけです。上記写真のアンプでちょっと鳴らしてみたんだけど、なんかちょっと違う。でも、何となく、そのへんのギターアンプよりは近い気もする。難しいよね。うーん、どうすればあの音になるんだろう。

というわけで、このプロジェクトは始まったばかりですが、3/19にライブで使うというデッドラインがあるので、何とかそれまでになるといいな~

それでは、また!