50年代ブルースアンプその2(音源あり)

50年代ブルースアンプの続きである。

前回、6BM8を2本使って、3極管接続したオーディオアンプでギターを鳴らす試作アンプを紹介した。家で鳴らしたらいい感じだったけど、実地ではどうだろう、というところで終わっていた。

で、先日、ジャズのジャムセッションの現場に持ち込み、少しだけだけどドラムやベースと鳴らしてみたのだが、やはりダメだった。一言で言ってパワー不足。ジャズっぽい音楽であれば音量は大丈夫なんだけど、生ドラムに対抗できるまで音量を上げると、パワー段で歪んでしまうようで、せっかくのペラペラのクリーントーンが出ないのである。

これは単純にパワーが足りなく、ヘッドルーム不足っていうやつである。ということで、もう少しパワーをかせぐべく、6BM8を止めて、6V6GTの5極管接続してやってみた。これである。

6V6GTプッシュプルにした50年ブルースアンプ試作機

ま、見た目は6V6になっただけで一緒である。回路は以下の通りで、位相反転は一番アホっぽい古典式を採用している。わざと古臭い回路を使おう、という魂胆である。

6V6のデータシートによるとPPで15Wまで取れるようだ。しかし、組んでみて測定したら10Wをどうしても超えない。マックスでも12Wであった。このへん、なんか自分の理解の間違いがあるのかもしれない。まあ、それはいいとして、6BM8では7Wだったのが、こちらは10W。うーむ、ちょっと心もとない。15Wは欲しいところだ。

ちなみに測定ついでにBlues Juniorを測ってみたら15Wちょうどだった、さすが、スペックどおりだ。

さて、この6V6のブルースアンプで、家で少しだけ弾いて録音したのが以下である。

6V6ブルースアンプの音

こちらは、74年のボロムスタングをつないで、フロント・リアのミックス、GAINは半分で、VOLはうるさくないぐらいに絞った音である。これを聞いている限り、けっこう古臭い、Lowell Fulsonっぽい音がしている。というか、これってムスタングの生音そのものが出てる、って感じである。

あとはやはり、これで生ドラムと一緒にやったときにどうなるかであろう。ライブまでもう1ヶ月を切ってるんだけど、うーん、このアンプ持込で音量足りなかったらマイクで録ってPAから出そうかな~

パワーをもうワンレベル上げるには、真空管を6L6かなんかにして、そうなるとさらに、電源トランスと出力トランスをハイパワーにしないとNGだ。これは大変だし、カネかかるし、どうしようかな、ってところ。

それにしても、現状で、結局、1947年ごろにFenderがプロ向きに販売し始めた「Fender Pro Amp」のTV Frontの初期のバージョンの回路ほぼそのまま、ということになったね。結局、落ち着くところに落ち着くのかな~

ではでは、また進捗があったら報告します!