臨界点に身を置ける人

人間の活動のコンディションを正帰還の臨界点に持って行き、そこにしばらくそのまま留まっていることができると、ごく僅かな外来の刺激がたちまち無限大に増幅され、なだれ現象を引き起こす。そういう臨界点を、あるていど意図的に作るすべを知っている人って、ごくたまに、人間技と思えないようなことを仕出かす。ひょっとしていわゆる霊との交信というのも、そういった臨界点を利用して可能になるのかもしれない。ただ、臨界点を利用したなだれ現象では、いいも悪いも一緒くたに入ってきて増大するだろうから、実際には引き起こされたその結果の良し悪しに保証はないはず。そして、その地点で、はじめて、「その当の人間の資質」が表面化し、結果の良し悪しを左右するんじゃないだろうか。

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