音楽と絵画

絵画はいつまで見ていてもそのままだが、音楽は一方的に終わりが来る、というのはきっとなにかしら深い仔細があるんだろうな。そしてそれだけではなく、もっといろいろな点で、音楽と絵画というのが見事に相補うようにできているというのも不思議だ。音楽的な絵画、そして絵画的な音楽、というのがあるのも、そういう相補性があるがゆえだろう。しかし、おのおのに接していてもっとも感動的に思える瞬間は、音楽が決して入り込むことのできない絵画だけの領域、そして、絵画が決して入り込むことのできない音楽だけの領域が垣間見えたときだ。そういうものを目の前にすると、感動を超えて、慄然とすることがある。

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