罪と罰の一場面

罪と罰の主人公ラスコーリニコフに、「あなたには空気が足りない」と忠告する人がいたが、あれは事件を捜査している中年の刑事だった。その彼はラスコーリニコフに、自分を「終わった人間」と自己紹介していた。私にはもう未来は残っていないんですよ、と。そして、「あなたには空気が足りないと言い当てるのは、自分のように長年生きてきた経験がある人間であればやさしい。大切なのは、あなた自身が空気を求めて動くことです」、と、彼は、この若い、将来のある、ラスコーリニコフという青年に忠告するのだ。

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