目録
旧益田家本甲巻
本図は七つの地獄を収めているが、ひとつひとつ切り離され、散逸している。画像データについても国立博物館が一元管理していないので、現在はきちんとした画像は無く、ここでは仮りにインターネットから拾ってきた画像を載せておく。これらは著作権処理されていないし、品質もまちまちである。のちによいものが入手されれば差し替える。
ここで提示されている地獄は、生前に仏の道を外れた僧侶が堕ちるところで「沙門地獄草紙」とも言われる。詞書も入手できないものがあり、さらに詞書があっても解読が済んでいないので、解説にはネット上で調べた分かる限りのことを書いておく。
四 剥肉(個人蔵)


ここは、動物を殺して皮を剥いだりした僧侶が堕ちる地獄らしい。当時の僧侶に、そういうことをして皮を利用したり売ったりする輩がいたのであろうか。鬼たちが肉ごと背中の皮を剥ぎ、僧侶たちは血まみれで肋骨を露出させてうつ伏せに倒れている。なかなか凄惨な描写である。