50年代ブルースアンプその3(音源あり)

大震災で大変ですが、いかがお過ごしでしょうか。

前の記事で紹介した古臭いブルースの音がするアンプを、とうとう実践で使ってきた~! 震災後の3/19に、大倉山Muddy’sっていう中ぐらいのハコのライブバーでこれを使って演奏してきた。その夜はブルースナイトってことで3バンド出演し、僕らはトリ。ドラム・ベース・ギターの3ピースバンドで、ひずみとか踏まずにクリーントーンだけで演奏である。

まず、スピーカーはPeaveyの12インチキャビを使い、音量にちょっと不安があったんでマイクを立ててPAから少し出してもった。ギターは74年のボロいムスタングにたしか1弦が012ぐらいの3弦プレーンセットの中では一番太いやつを張った。ムスタングはショートスケールなので、それほどひどくテンションは高くなく、ちょっと力はいるけどまあまあチョーキングOKな範囲になるんだよね。

セッティングは、GAINが半分、MASTERは3/4ぐらいだったかな。それでオーティスラッシュのAll your loveを演奏したのが、これ。

単弦弾きの曲はこれ。Somebody loan me a dime

ついでにVOXのワウを踏んで演奏したのが、これ。ロバートジョンソンの32-20 Blues

なかなかいい音なんじゃないでしょうか。

というか、案の定というか、ふつうのギターアンプとはぜんぜん違う音だわ、これ。何と言ったらいいか、ギターマイクの出力がそのまま音になって出てる、というか、音に飾りがまるでなく、もちろんリバーブもついてないし、弾き手としてみると「隠れる場所なし!」みたいな感じ。このアンプは普段エフェクター漬けの人は弾くのムリかも。でも、ブルースマンには、この音は、けっこうウケると思うな~

演奏終わった後も、かなりたくさんの人からギターの音がいいと言われ、何人かのプレイヤーにこのアンプ欲しい、と言われた。売り出してみたら? なんて言う人もいたよ。

あと、リハスタジオにもこれを持っていってそのときはマーシャルのスピーカーキャビで鳴らしたけどホント独特の音だった。あと、ベースをこれに突っ込んで鳴らしてみたら、あら不思議、ベースの音もかなりいいみたい。うちのベーシストはこの音をいたく気に入ったようで、マジでこのアンプ購入を考えるって言ってる。

考えてみると、このアンプ、FenderのBASSMANに似てるっていえば似てるかも。回路とか。もう一度アンプの要点をまとめると以下のとおり

  • 初段はゼロバイアスで12AT7。この後GAIN。
  • 2段目は12AT7のもうひとつ。その後MASTER
  • 12AU7の古典式フェーズインバーター
  • 6V6GTの自己バイアスのプッシュプル
  • NFBなし
  • 結合コンデンサはほとんど0.1μFで、低域をほとんど削ってない
  • OPTは野口トランスの10Wオーディオ用
  • PTはフェンダーのChampのもの。119V用なので電圧は1割低い状態で使用

回路は1947年ごろのFenderがFenderと名乗る前のスティールギター用のアンプの回路に似ている。あるいは同じころのPAアンプに似ている。

うーん、これ、けっこういいかも。少なくともこんなチューブアンプはほとんどどこにも売ってない。かなりニッチなアンプである。

受注生産でも、するか~(笑)