「本所五つ目五百羅漢えーーーー」 再建の仏の杖の音がガラガラガラガラ 天恩山の羅漢禅寺は松雲禅師が創立し、 阿羅漢の像五百体を安置している寺で さざえ堂として有名なこの寺の僧侶は 常に托鉢を修行としている。 これ、仏法のお布施の波羅蜜に違いない。
「江戸三座の役者の給金の番付けが入れ替わりました 役者顔見せ番付け」 役者給金といって半紙の二枚刷りに、似顔絵ならびに改所位付け俳名住居などを詳しく 書いて、また、一口批評を、江戸名所そのほか橋尽くし川尽くし鳥魚など いろいろな物の絵をともに載せるものである。 この番付は毎年十一月、顔見せのときに改版する ものといわれる。
この薪割りは、松でも硬い雑木でも区別なく、 重さ一両につき何銭という規定があって 誰でも頼むと来て薪を割ってくれる。 また、この薪割りには区別があって、薪商いの下請け だけをする者と、いつものひいきの客を通してする者と 街中を「薪割り」と呼んで歩く者との、三種ある。
回りの髪結いは、商家の多い町内には 必ずいて、終日、各店を回り 旦那、番頭、若者、小僧あるいは権助など に至るまで、髪を結って回るのを商売とする。 付言 安請け合いをするのを「髪結いのただいま」という言葉が 残ったのは、この髪結いを迎えに行くと、どんな用事があろうが 「ヘイ、ただいま」と答えることで、そう言うならわしになった そうだ。