シン・ゴジラ
(庵野秀明)
ウルトラマン世代なので特撮モノは好きで、ひところ、ジュラシックパークのCG恐竜が見たいだけであのシリーズをよく見てた。超ハリウッドなステレオタイプな内容はどうでもよく、ひとえにリアルな恐竜見たさである。というわけでシン・ゴジラも見るわけで、やっぱCGゴジラの合成がすげーなー、という感想はあるものの、なんと言ってもオレ的に重要なこの映画のポイントは、前半の超グダグダな日本政治である。とある人は、あの政治モノさえなければいいのに、って言うが、オレはあそここそ見どころで、なんとシン・ゴジラを繰り返し見るときは、あの政治ぐだぐだだけ見て、当のゴジラvs人間は別にどうでもいい、というウルトラヘンタイ切り取り視聴をしていたりした。あともう一点重要なのが、中盤で東京が火の海になるところね。あれこそ、ゴジラシリーズの最重要シーンで、あれは東京空襲のオマージュだからね。そのオマージュをあのハイクオリティで再現してくれたところは、まさに、感謝そのもの。ゴジラの動きがのろくてしょっちゅう止まってるのもいいな。その一連は、オレにとっては歌舞伎そのもの。政治グダグダは歌舞伎の世話物。第一世代の魚みたいなゴジラは獅子舞。この映画は日本にしかありえない日本モノの極致で、外国での興行成績がひどく悪かったのもうなずける。ま、世界が日本に追いつくのは百年早いってことさ。追いついたころには日本は滅びてるしね。