牛丼

いま現在、牛丼はほとんどいわゆるチェーン店が提供する食になっており、ここで扱う大衆食から外れている。しかし、牛丼は古くから現代まで相当の長い間に渡って、庶民の代表的な食として供されてきたことは間違いなく、やはり紹介しておこう。

牛丼の歴史を調べてみると、登場したのは明治時代であり、すでに百年ほどの年月が経っている。歴史についてはWikipediaなどに詳しいのでそちらを参照して頂きたい。日本で牛丼といえば、まず吉野家が筆頭に思い出されるであろう。当の吉野家自体がすでに操業百年を超えている。ここでは吉野家の牛丼を主にまずは紹介しよう。

吉野家の牛丼

吉野家の店舗外観

吉野家の店舗外観(*)

こちらが吉野家の店舗である。現在は店舗数ですき屋に抜かれているとはいえ、日本の隅々まで網羅する日本を代表する牛丼の大手チェーン店である。ルックス的にはこの写真のこの姿に統一されており、おなじみの風景と言えるだろう。

店内はカウンターのみで券売機はなく、座るとお茶が出てきて、その場で直接口頭で注文し、お金もその場で後払いする形態である。他のチェーン店では、これらの事情が少しずつ異なっている。

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吉野家の牛丼(*)

これが吉野家の牛丼である。薄切りの牛肉に、具はタマネギのみである。味付けは、醤油や味醂などで甘辛く煮たものであるが、吉野家のそれは、醤油と甘味はむしろ控えめで、色も薄く、独特な牛肉の旨みを強く前に出した味付けにされている。

写真は並盛で、2015年現在でこれで380円である。このほか、大盛、特盛がある。メニューには牛皿というのもあり、これは具をご飯の上に乗せずに別皿で出すものである。また、いつからか「つゆだく」と称する注文が通るようになり、そのように伝えれば無料でタレを多めにしてもらえる。

牛丼の付け合せの定番は紅ショウガであり、次のように食卓に置かれ、取り放題になっている。

食卓の紅ショウガ

食卓の紅ショウガ(*)

この他、七味唐辛子も用意され、好みでかけて食べる。有料のサイドメニューとしては、生卵、味噌汁、お新香、サラダ、などがある。特に、牛丼に生卵を乗せ紅ショウガに七味唐辛子という組み合わせは、一種の定番であり、大衆食として定着した姿と言えるだろう。

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定番の、生卵と紅ショウガ、七味唐辛子のトッピング(*)

その他の牛丼

現在、吉野家以外の牛丼チェーン店には、すき屋、松屋、神戸らんぷ亭などいくつかがある。前述したように、現在、店舗数ではすき屋が吉野家を抜き、トップとなっている。すき屋も吉野家も、日本だけで1000店舗以上あり、海外にも進出している。これらそれぞれに確かに特徴はあるのだが、牛丼そのものについては、それほど大きな差はない。

神戸らんぷ亭の牛丼

神戸らんぷ亭の牛丼(*)

こちらは神戸らんぷ亭の牛丼だが、見ての通り、吉野家とあまり変わらない。味も若干さっぱりしていたりするものの、基本的な味付けはあまり変わらないようである。牛丼についてはチェーン店が圧倒的で、その他の特色ある牛丼屋というものをあまり見ない。

いわゆる定食屋で、メニューに牛丼がある場合もある。このときは、吉野家をはじめとするチェーン店系の牛丼とはやはり少し異なり、すきやきに似た感じで甘辛く濃い目に煮た牛肉とタマネギやネギなどをご飯にかけたものが出てくることが多いようである。


(*) 画像はGoogleサーチで持ってきた無断転載である。写真撮影次第差し替え予定。