リレー式オーディオセレクター

2A3プリメインアンプのためのオーディオセレクターをリレー回路で作った


我が家のメインのアンプは以前に作った2A3のプリメインアンプなのだが、前面パネル未完成のままほぼ半年もたってしまった。というのは、ロータリースイッチの回転式オーディオセレクター部分を、どうしても押しボタンによる順次切り換えにしたいのだが、それがいつまでたっても実現せず、放ってあったのである。今回、とうとう超重い腰を上げて製作し、それでとうとうアンプの前面パネルも予定通りすっきりしたものになった。

モメンタリのスイッチによる順次切り替えセレクタであるが、売り物オーディオであればどんなちゃちな製品でも付いているような機能が、アマチュア自作方面では結局ほとんど見つけられなかった。まあ、自作オーディオの目的は、機能よりは音の方なので当然であろう。というわけで参考になる回路もなく、自分で考えないといけない、ということになる。オーディオメーカーの製作部隊であれば新入社員に回すような課題だろうなあ、と思いつつ適当に設計してみることにした。

たぶん、信号切り替えはリレーを使って、スイッチを押したときのストローブパルスでカウンタを回して、それをデコードして、トランジスタを介してリレーと表示LEDを駆動するんだろうな、とまっとうに考えた。これらの知識は、実は、15年以上前の入社当時にやっていたデジタル回路の設計製作の仕事から来ている。うーん、なんか楽しくない、仕事をしているみたいだ。そんな感じもあって、実はこの計画がのびのびになっていたのである。なにせ、これを半年も放っていた間、喜々として真空管ラジオ、ギターアンプ、トランジスタアンプなど次々に手を出していたのだから。

参考までに、出来しだい回路図を載せる予定だが、プロから見たらけっこうアマチュアくさい回路かもしれない。ディジタルICにはLSシリーズを使って、スイッチのチャタリング吸収に74LS00、非同期の4進カウンタに74LS74、2ビットのバイナリ信号のデコードに74LS139を使っている。139の出力が負論理なので、74LS04で正論理にして、汎用トランジスタ2SC1815を使ってリレーとLEDを駆動している。オーディオ信号の切り替えのリレーは、きっとオーディオ用として接点に金かなんかを使ったやつを選ぶべきなのかもしれないが、どうもうまく見つからない。そこで、あまり深く考えず、オムロンのモールドタイプでちょっと値段高めのものを使った。

製作は細かくて面倒くさかったが、普通に終わり、チェックしたらあっさりと動いたように見えたのだが、ときどき誤動作する。スイッチを離すときのチャタリングが取れないのである。あれこれと片っ端から調べていったが、どうしてもわからない。これにはまいった。結局、スイッチをアースに落としている抵抗値を3.3kから1kにしたら直ってしまったのだが、いまだに理由が分からない。とにかくも出来たことは出来たので、基板をアンプに組み込み、前面パネルを加工し、半年ぶりで我が家の主力アンプがようやく予定通りのルックスにもうあと一歩というところまで来た。実は、もうひとつ残っている。それは、側板の木の塗りである。現在、白木のままで格好悪いのである。それにしてもいつになったら終わるのやら。