ユン・パイ・ロウ
  〜ゆで豚のニンニクソースかけ〜


ゆでた豚肉(白肉という)を、雲のように、空に浮かぶぐらい薄く切るところからついた名前で、有名な四川料理のひとつである。日本の四川料理屋で注文すると確かにひらひらと宙を舞いそうに薄く切ったものが出てくるが、四川省の成都で注文した雲白肉はけっこうしっかりと厚めに切ってあって、豚の味がたっぷり味わえるものであった。本場のものは、特にラー油がたっぷりとかかっていて、しかも焦げたトウガラシのかすも一緒に使っていてとても香ばしく、日本のものとけっこう異なる風味で、実に旨かった。ここでは、そのラー油を再現していて、変哲ない料理だがひと味違った感じに仕上がっている。

 

四川の辣油の作り方

まずは四川産のトウガラシを手に入れることで、これはクラゲの甘酢あえのところで紹介した知音中国食品で売っている。キュウリの麻辣ソースあえのところでも紹介したように、大ぶりで赤黒く、辛さはほどほどで、香りが強いものである。辛みがほどほどのせいで、料理にラー油をたっぷりかけることができる。日本の鷹の爪で作ったラー油は辛すぎて、たくさんかけられず、したがって香りも弱くなってしまうのである。