ユン・パイ・ロウ
〜ゆで豚のニンニクソースかけ〜
ゆでた豚肉(白肉という)を、雲のように、空に浮かぶぐらい薄く切るところからついた名前で、有名な四川料理のひとつである。日本の四川料理屋で注文すると確かにひらひらと宙を舞いそうに薄く切ったものが出てくるが、四川省の成都で注文した雲白肉はけっこうしっかりと厚めに切ってあって、豚の味がたっぷり味わえるものであった。本場のものは、特にラー油がたっぷりとかかっていて、しかも焦げたトウガラシのかすも一緒に使っていてとても香ばしく、日本のものとけっこう異なる風味で、実に旨かった。ここでは、そのラー油を再現していて、変哲ない料理だがひと味違った感じに仕上がっている。
- 脂身の適度に入った豚肉が向いている。ここでは、脂の少な目なバラ肉を使った。ゆで加減はちょうど中まで火が通ったていどが柔らかくておいしい。
- 甜醤油を煮るとき、好みで、八角、陳皮(みかんの皮を干したもの)、肉桂(シナモン)を入れると香りが良い。たくさん作って容器に入れて冷蔵庫で保存しておくと良い。
- タレが甘すぎるとと思ったらショウユを加えて調整する。
- ラー油の作り方は以下の通り。トウガラシかすと共にたっぷりかける
◆四川の辣油の作り方
まずは四川産のトウガラシを手に入れることで、これはクラゲの甘酢あえのところで紹介した知音中国食品で売っている。キュウリの麻辣ソースあえのところでも紹介したように、大ぶりで赤黒く、辛さはほどほどで、香りが強いものである。辛みがほどほどのせいで、料理にラー油をたっぷりかけることができる。日本の鷹の爪で作ったラー油は辛すぎて、たくさんかけられず、したがって香りも弱くなってしまうのである。
- トウガラシを半分にちぎって種を取り、ミルに入れて粗挽きにする。金属製のボールに入れ、水をかけて湿らせておく。これは、過剰に焦げないようにするためである
- 挽いたトウガラシ30gに対して、サラダ油300ccの割合で使う。サラダ油を鍋に入れ、ショウガひとかけを入れて火にかけ、ゆっくりと、煙が出始めるぐらいまで高温に熱する。ショウガは取り除いておく
- 火を止めてしばらく間をおいて油を冷ましたら、ボールのトウガラシの中に一気に注ぎ入れ、軽くかき混ぜる。湯気と、トウガラシの香味がもうもうと立ち上る感じになる。油の温度は180度ぐらいであろうか
- 泡立ちがおさまったらラップをしてそのまま一晩以上置く
- トウガラシのかすごと容器に入れ、冷蔵庫で保存する。使うときは、香ばしいトウガラシかすと一緒にすくって使う