奇跡の海
(ラース・フォン・トリアー)
大好きなキングダムの監督ラース・フォン・トリアーの作品。いい映画だったね。彼独特の、相変わらずの手ぶれドキュメンタリー風カメラ、色褪せたような色調、チャプターに沿って進んでいく物語、好きだねー。あの絶妙なフォーカスのずれたショットの挿入など、脳のどこかにそのまま焼き付けられそうな映像だよ。物語は悲しいね、見ていて、これは悲しすぎるだろう、と思ったけど、教会の中で主人公のベスが一人で神様と対話するシーンなど、それこそムリリョの描いた聖女みたいな、優しさと、救いがあって感動した。映画を見ながら泣くということは僕は、ほとんど無いんだけど、後から思い出して泣けてくる。単に僕の反応が鈍いんだろうけど、見終わった後に何かと思い出す映画というのは自分にとって良い映画だった証拠だろうね。