ソナチネ
(北野武)
たけしの映画を初めてみた、文句なく面白かった。なんといっても、ピストルを無表情でがんがん撃ちまくり気に入らないヤツらを殺しまくるのと、しばしば出てくる無表情で固まったたけしの顔のアップの対照がいいね。あー、日頃気に入らないヤツラを架空の物語の中でがんがん撃ち殺してえなー、と、たけしは思わなかったかねー、世界的に有名な監督になった人に失礼かな。けど、これを見て真っ先に思い出したのは、週刊誌ネタになったたけし軍団の人家侵入乱暴狼藉事件だった。あれの代償行為に見えたんだけど、これって別に、古今東西、作家の特権なんだよな、ドストエフスキーだってやってるんだから。それにしても、この独特の「間」や映像、古風な子供遊びやら、外国人が見たらさぞかし奇妙に写るだろうな。たけしの漫才を知ってるこっちは、ところどころビートたけしそのものに見えるボケがあって笑えるんだけど。ちなみに、ロシアンルーレット遊びで、最後にじゃんけんに負けたたけしが、笑いながらピストルをこめかみに当てて引き金を引く有名なシーンの、たけしのものすごく微妙な笑い顔にはホントびっくり。