初恋のきた道
(チャン・イーモウ)

それにしても、ものすごく映像のきれいな映画であった。この映画を、我が家のように、超小さい14インチのテレビ(そう、日頃こんなので映画鑑賞しているのである。学生の独り暮し以下である)で、両切りされた映像とモノラルの超ショボイ音で見るのは、ほとんど張監督に対する冒涜であろう。とある村で四十年間先生をやってきたじいさんが死に、悲嘆にくれる婆さん、そしてその息子のナレーションで語られる四十年前の両親の馴れ初めの物語が、村の自然をバックに描かれている。しかし、この主演の少女であるが、まあ、一幅の絵画という以上にかわいい子で、この映画、少女の恋心、美しい自然、そして村人たちの素朴な心を花のように彼女の回りに飾って、ただひたすらこの美しい少女を撮りたくて作ったんじゃなかろうか。うん、これ以上言うこと無しである。ま、だいたいがこんなレビューじみたものを書こうという邪心のある僕みたいなのに、いくらでも書く材料を与えられる映画ってもの自体がおかしいのかもね。それにしても早くDVDとプロジェクター買おっと。