ナイトオブザリビングデッド 30周年記念最終版
(ジョージ A.ロメロ)
ゾンビの古典、ロメロのナイトオブザリビングデッド一作目だと思って借りてきて、よくみたら「30周年記念版」という文句がついていた、よくある話である。ロメロのゾンビの一作目のフィルムに、適当に新撮をつなぎ合わせた映画だそうだ。しかも、それをやったのはロメロじゃなくて、脚本家の方なんだってさ。付け足した部分はともかく、一作目を見ていない僕にとっては、けっこう良かったよ。最初に出てくるただの若者二人組と、偏執狂風神父は付け足しだそう。なので、その後からが一作目ということになるのだが、そうなると、いい始まり方だね。墓参りに来る若い兄妹が墓場で軽くふざけてるところをカメラがフォローしてると、たまたま、という感じで、むこーうの方に一人目のゾンビが歩いてるのが突然フレームインするんだよね、これはとってもいい。あと、ゾンビが人間の肉を食ってるシーンだけど、あまりにも満足そうに、おいしそうに食っていて、なんか、ウロウロとゾンビ歩きしてさまよって、うまいものを見つけてつかの間の快感に陶然として、またウロウロ、と、映画から教訓を読みとるのはキライなのだが、見ていて、あー、浮き世だなー、と思っちゃったよ。それにしても、付け足しの偏執狂風神父は、最後の最後にも出てきて、ひたすら「神にそむくものたちよ云々」とやるわけだけど、この役者がスキンヘッドで、エロ髭を生やし、前歯をむき出して叫び、めちゃくちゃ怪しいヤツで、こいつのせいで、せっかくの格調高いオリジナルがB級ホラーになっちゃってるけど、これってわざと?