ライブ フレッシュ
(ペドロ・アルモドバル)

いやー、騒々しくて、せわしくて、面白い映画だった。むかし、アムステルダムのスキポール空港からマドリッドのバラハス空港に降り立ったときに、あまりの空気の違いに唖然としたのを思い出すね。スキポールの空気はほとんど静止していてものすごく静かだったのが、スペインに入ったら何というか空気が爆発しているようだった。まあ、その騒々しいこと。出産、色恋、セックス、刑務所、不能、ピストル、セックス、とまあ次から次へと現れて、飽きている暇がない。一つの強い中心があってそれを描写してゆくのと反対で、なんか、いろんなものが乱立しているような印象で、スペインのバールでお総菜を選んでるみたいな、あ、これもこれも、これも食べたい、というか、でまた、女も男も濃くて臭くて、肉汁というか、粗悪なオリーブオイルというか、サングレデトロというか、でまた、主人公の男が、これまたゲジゲジ眉毛がつながってて、アホなんだか、強いんだか、色男なのかわからん。でも、最後はこいつが身も心もマッチョなスペインの男になって終わるんだね、ブラボー!