D.I.
(エリア・スレイマン)
中東問題を始め、時事問題をほとんど知らない僕は、この映画は意味不明、ということになるのだが、それでも楽しめた。後で、何も知らない僕に呆れ顔で彼女が説明してくれたが、イスラエルとパレスチナの綿々と続く対立、紛争を、風刺と笑いを通して描いた作品であったそうである。でもまあ、バックグラウンドを知らない僕でも、ひたすらいがみ合ったりしている姿は見えるわけで、それが結構ドタバタしていて面白い。個人的な恨みと民族史的な恨みがもう区別できなくなってるみたいに見えて、背景を知らない人間から見ると、不仲にかこつけて、生活のフラストレーションを単に発散してるように写ったりする。ま、こんないい加減な感想を当事者たちに言ったら怒られそうだけど。