基本的奏法

譜面 

まずは比較的簡単な、しかしいきなりやるのはちょっと難しそうなソロ例でその方法を解説する。このタイプの奏法は、右手親指でコンスタントにベースリズムをきざみ、他の空いた指でコードやメロディを弾くというものである。ここではキーはEなのでベース音は開放弦であり、左手の指全てをコードやメロディに使える。大切なのは、どんなフレーズを弾いても、それにつられることなく、右手親指でコンスタントベースを弾き続けることにある。

コンスタントベースのリズムとしては次の4拍ものがもっとも単純である

できるだけ同じ強さでパルスを刻むわけだが、この時、右手の掌で音をぶつっぶつっと切るようにすると感じが出る。もうすこし難しいのになると、次のようにシャッフルを刻みながらソロを取る

いずれにせよ、他の指の動きに親指がつられないで独立して動くようになるには暇がかかるが、いったんできるようになると楽しいものである。なお、ここでは全て4拍コンスタントベースで記譜してある。

さて、ここで紹介しているのはソロというよりバッキングに近い。まず2小節目がEdimとなっているが、これは単にE7を半音そのまま下げただけに過ぎない。3弦の3フレットの音を除くとA7と同じ音になるので、これはA7の代理なのである(ジャズ風に言うと)。ちなみにこれはロバート・ジョンソンのAのブルースをEに移したものである。

5、6小節目はA7をまたまた単に半音下げたコードを使っている。コードネームで言うとAdimで、ブルースのスケールでは使わない2弦1フレット、4弦1フレットの音を含んでいるが、これがまた物悲しい異様な雰囲気を醸し出している。ブルースのスケールについては付録1を参照して頂きたい。

7、8小節目はバッキングパターンをそのまま弾いてそこに小さなフレーズを入れている。

9小節目は単にブルーススケールを下降しているだけのやる気なさげなフレーズで、全体にひたすらだるい、という風に締めている。
12小節目はエンディングである。最後のE7を少し控えめの音で弾くと、フェードアウトっぽくて、だめ押し的にけだるさをつけ加えることができる。