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SOLDANO型アンプ

はじめに Soldanoというアンプがあることは知っていたが、これまでほとんど縁がなかった。それでも何で知っていたかというと、友人に特注もののSoldanoのアンプを持っている人がいたからだ。彼のSoldanoは豪華にもキャビネットは全面ヘビ皮ばりで、その中身はエリック・クラプトンが使っていたのと同じものだそうだ。むかし、その友人宅に遊びに行ったとき、このSoldanoに65年のストラトをつないで弾かせてもらったことがあるのだが、えらくいい音でびっくりした記憶がある。 このSoldano、ずっと忘れていたのだが、あるときふとあの音を思い出し、それで、ほんの気まぐれにSoldanoの回路をネットであさって、ほとんどそのまま仮組みしてみた。それで、自分のムスタングをつないで鳴らしてみたら、おー! すごくいい音ではないか、ビックリ! Soldanoって実際は近代ハイゲインアンプらしく、ブルースギタリストの自分はあんまり関係ないと思ってたけど、やっぱりそんなことぜんぜん無く、再認識した。 と、いうことで、ここで、Soldanoの回路を組んで、鳴らして、測定などして、原理解明などもするプロジェクトを始めようと思う。Sondanoは、これまでの自分が手がけてきたFender基準の典型的な回路ともいろいろ異なっていて、いわゆるハイゲインアンプで特徴的な回路が使われており、なかなか勉強になり、面白い。 今回のSoldanoの回路 まず、今回仮り組みした回路は以下の通りである。赤い数字は各部の電圧の実測値である。 この回路を決めるにあたって今回参考にしたSoldanoのアンプは、「SLO-100」と「SUPER LEAD 60」の二つで、回路図は以下である。相変わらずでかくて見にくいが、後々のためにちゃんと載せておく。図をクリックして行けばオリジナル解像度で見られる。 ■SLO-100: ■Super Lead 60: 今回は、まずプリアンプ部だけ組み上げて、その出力を仮に組んだ12AU7単管の0.2Wパワーアンプに突っ込んでギターアンプ用のスピーカーをつないでテストしてみた。それにしても、たった0.2Wでも6畳ぐらいの部屋でちょうどいいぐらいの音量になり、スピーカーの能率がいいと部屋弾きでうるさいぐらいである。「ハイゲインミニギターアンプ」って いう、よく分からんチューブアンプになっているわけだ。 ま、それはそれとして、このプリアンプ部に低周波信号発生器の信号を入れて、手持ちの韓国製の安物3万円オシロがあるので歪の様子を見て周波数特性なども測定してみようというわけだ。 あと、ミクシィのコミュニティで教えてもらったのだが、Soldanoはプリアンプだけ、というのも出しているそうだ。 以下である。 ■SOLDANO Supercharger G.T.O. これは一種のエフェクターとして使う代物のようだが、回路を見てみるとSoldanoのアンプのプリアンプ部そのままを取り出したものである。今回、はちょうどプリアンプ部だけ紹介するので、このSuperchargerを解析しているようなものである。 後々は、このプリアンプの後に小出力パワーアンプをくっつけて一体にしてミニアンプの製作記事でも書こうと思うが、今回のこの記事は、調査中心でちょっと専門的でマニアックで行ってみようと思う。 エレキギターの出力 さて、手持ちの低周波発振器の正弦波を入れてこれからオシロで見たりして行くわけだけど、たとえば、初段の12AX7に3Vppとかの信号入れてプレートの出力を見ると1段増幅だけで140Vppとかいうばかでかい信号が出てくる。まあ、12AX7の増幅器は50倍ぐらいなんで当然なんだけど、いやー、しょっぱなから、でかい! ところでエレキギターの出力ってどれくらいだか、ご存知だろうか? 実は自分もよく知らない。 せいぜいピークで1Vか2Vぐらいかなあ、とかテキトーに想像してたのだが、いろいろ調べてもよくわからず、実際にオシロにエレキ出力を突っ込んで、ベンッベンッとかジャーンとか弾いて波形を見てみた。 もちろん正弦波じゃないんでよく分からないのだが、どうやら、思いっきりピークのときで、シングルコイルで1Vpp、ハムバッカーで2Vppぐらいみたいだ。 以上あまりにバカっぽいやり方なんだが、へーえ、そんぐらいなんだ、と思った。もし、このていどであれば、12AX7初段ではピークであっても ほとんど歪まないはず。思いっきりハイファイ増幅で、初段出力には100Vppぐらいのエレキギター生の増幅信号が出てくる、ってことになる。 初段の後にすぐGAINのVRが入るが、この信号のでかさから言って逆に2段目以降ではGAINをちょっと上げれば余裕で歪むことも分かる。 初段 手段は右のような回路である。まず、初段のゲインを測ってみた。そうしたら 55 だった。真空管はSOVTEKの12AX7WAである。出力の波形を見てみると、入力が3Vppぐらいから徐々にサインカーブの形が甘くなるが、4.5Vppでも、上下の頭がいくらか丸くなるていどで、それほどは歪まない。4.5Vp-p以上は手持ちの発振器(って、PCなんだが。。)が出ないので分からない。 それにしても、オーディオ真空管アンプのセオリーでは、グリッドの電圧が-0.7Vより大きくなるとグリッド電流が流れ始め、そのせいで歪んでしまうので使えない、と普通に書いてある。しかし、ここの12AX7の初段では、3Vpp入れてもほとんど歪まない。バイアスが1.4Vなので正弦波の片側はピークで+0.1Vまで上がっているはずなのにである。 ということで、このグリッド電流による歪みも、信号源のインピーダンスや真空管によってずいぶん事情が違うはずで、一概に-0.7Vという数値を信じなくてもいいようである。オーディオの世界では歪みは無条件に悪なので、ほとんど反省せずに-0.7Vを守ってフェールセーフで設計するので、こういう認識は無いのが普通だと思うのだけど、実際はそれほど単純じゃないのが、ギターアンプをやっているとわかるのが面白い。 さて、お次は初段の周波数特性である。 カソードバイパスコンデンサが1μFと小さいせいで低域が落ちる。160Hzぐらいで0.9倍(-1dB)になり、20Hzぐらいでだいたい半分(-6dB)になっている。 … Continue reading

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