最近、朝、運動しながら、このユング心理学入門ってのを聴いてる。お勧めはしない。なぜかというと、まず長い。そして音声合成。しかも外国人が意味も解らずテキストを流し込んでるらしく、読み間違いが多い。
https://www.youtube.com/@%E3%83%A6%E3%83%B3%E3%82%B0%E5%BF%83%E7%90%86%E5%AD%A6%E5%85%A5%E9%96%80
でもオレには、すんなりと聞こえて来ないそのつまづきのせいで、むしろ心地よく聞ける。
誰のテキストを朗読してるかわからないけど、ユングその人の著作の読み上げじゃなくて、ユング心理学の解説書がどっかにあって、それを読ませてるみたい。
いろんなことを学ぶわけだが、オレ、ユングは、彼が死ぬ直前に非公式に書いた「ユング自伝」というエッセイの単行本二冊を持っていて、それをけっこう熟読したので、そのエッセンスは身についている。だからむしろ、そのエッセイでカジュアルに語られていることを、ユングの学術的な意味での心理学として学び直しているような感じで、すんなりと理解でき、しかもとてもおもしろい。
外に見せている仮面であるペルソナを捨て、自身の心が抑圧しているシャドウを明るみに出し、完全な混乱を経たうえで、自分に戻る個性化を遂げることによって、本当の自由を手に入れることができる、と説くわけだが、この、毛虫が蛹になって、中でいったんどろどろに溶けて、今度はまったく新しい蝶という個体になって、殻を破って出て来て、大空高く飛び立つ、という変態の過程を、そのまま人の心理と人生になぞらえた様子は、なかなかに魅力的。
それで蝶になって出てきた個体は、おそろしく悟ってないの。もう、ぜーんぜんアホみたいなの。ぜんぜん揺ぎ無くないの。揺れ揺れで心元ないけど純粋で、天真爛漫で、恐れを知らないの。すなわち自由なの。
この光景はさあ、まさにニーチェのツァラトストラそのもので、感心したよ。ユングがいかに深くツァラトストラに影響されたかよく分かる。ツァラトストラには四部あって、第三部でひと段落して、そのあとに最終章として第四部がくっついているんだけど、その第四部に出て来るツァラトストラがまさにこの感じ。もう、ぜんぜん聖人っぽくなくて、軽いけど、深い。
長らく読んでないけど今までよりはるかに時間があるし、読み直してもいいかもな。