短編四つからなる怪談を見てた。小林正樹監督。黒髪、雪女、耳なし芳一、茶碗の中。
耳なし芳一はなんかよく知ってるなあ。
平家の霊が夜な夜なめくらの芳一を呼び出して、平家物語を語らせる。で、お寺の和尚さんがそれに気付いて、住職さんと二人で般若心経を若い芳一の身体にぴっしり書き込むんだよな。で、耳に書くのを忘れちゃったせいで、出てきた霊には耳しか見えず、その耳をちぎって持って行ってしまう。で、耳なし芳一になってしまう、と。
よく知られたプロットだけど、見てて、しかし、書き忘れたのがなんで耳なのかなあ、って思ったよ。なんかさあ、おちんちんと金玉にお経書かなかったら、チンなし芳一とかタマなし芳一になっちゃうよな、って思って見てたけど、待てよ、お経を書き込んだのは和尚さんと住職さんの男が二人。そりゃ、まだ若い芳一で、いちばん大切なおちんちんと金玉にだけは入念にお経を書いたんだろうな。それに気を取られて耳を忘れたのかね。
それで、若くて男前な芳一の目が見えない、というのがエロチックだよなあ。目の見えない若い男の裸体に筆で隅々までお経を書くだなんてねえ。
しかし耳か。耳ってさあ、改めて、人間の持ってる器官の中で破格に変な形してるよね。地球外の宇宙人が地球人を見たら、まず、耳がヘン、って思うだろうな。鼻もヘンだけど、耳の形態にはかなわないかも。口を開いたら歯がぎっしり、もヘンに見えるだろうなあ。
その後、耳を失った芳一は回復して、琵琶語りの平家物語がたいそう評判になって、お寺には贈り物や付け届けがごまんと届き、芳一は大変なお金持ちになったんだって。そういうエンディングだったんだね、知らなかった。
きっと美しい女を迎えていっしょになり、子をたくさんもうけて、家族を繁栄させたであろう。チンポコとタマを守ってくれた和尚さんと住職さんも、いい仕事をしましたね。
というハッピーエンドだった。