部品を集めて真空管ギターアンプを作ってみる
〜フェンダーChampをベースに日本の部品で作る〜
歪み系エフェクターとしても使える6V6GTギターアンプヘッドの製作


最近のプロジェクト紹介、質問掲示板などの真空管ギターアンプ製作センターを始めました
Fujiyama Electric
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3 部品の買出し

さて、それでは部品表もできたので買出しである。超インドア志向のアンプビルダーにとって、唯一のアウトドア作業である。

秋葉原は日本で一番有名な電気街だが、ここに行けば真空管アンプ製作に必要なものは、簡単にすべて手に入る。秋葉原まで買出しにいけるエリアに住んでいる人はラッキーだ。かくいう私はその一人であるが、私がよく買出しに行くエリアの部品屋マップを作っておいたので参考にしていただきたい。



今回、私は、トランス以外のすべての部品をラジオデパートで購入した。部品表に載せた価格はそのときの値段である。秋葉原以外でも、大きな都市であればこういった自作系の電子部品を扱っている店は探せばあると思う。近年はインターネットがあるので、検索すれば見つかる。どうしても近くに部品屋が無い場合は通販ですべて入手できる。通販で、こういう細かい部品を調達してくれるところは、やはりインターネットで調べるのがよい。こういった通販を扱っている店のホームページアドレスを下に載せておくので、参考にしていただきたい。

ショップリスト(私が日ごろ利用しているショップ+通販店など)

■東京ラジオデパート
総合案内:http://tokyoradiodepart.co.jp/tenpo/
瀬田無線 (CR、総合パーツ)http://tokyoradiodepart.co.jp/tenpo/modules/pico17/index.php?content_id=1
サンエイ電機 (真空管)http://tokyoradiodepart.co.jp/tenpo/modules/pico04/index.php?content_id=1
ノグチトランス販売株式会社 (トランス)http://www.noguchi-trans.co.jp/
エスエス無線 (シャーシ関連)http://www.ss-musen.co.jp/

■秋葉原ラジオセンター
総合案内:http://www.radiocenter.jp/
東栄変成器 (トランス)http://www1.tcn-catv.ne.jp/toei-trans7arc-net/
アムトランス (真空管)http://www.amtrans.co.jp/

■その他、通販など
春日無線 (トランス、真空管)http://www.e-kasuga.net/
千石電商 (CR、総合パーツ、半導体)http://www.sengoku.co.jp/
秋月電子 (CR、総合パーツ、キット)http://akizukidenshi.com/
若松通商 (CR、総合パーツ、半導体、真空管)http://www.wakamatsu.co.jp/
サトー電気 (CR、総合パーツ、半導体)http://www2.cyberoz.net/city/hirosan/jindex.html
共立電子 (CR、総合パーツ、半導体)http://www.kyohritsu.com/
Garrettaudio (ギターアンプパーツ。日本のお店、ネットショッピングでOK)http://www.garrettaudio.com/
Antique Electronic Supply (ギターアンプパーツ。アメリカのお店、クレジット払いのネットショッピングで注文できる)
       http://tubesandmore.com/

さて、秋葉のラジオデパートを歩いてみると、いろんな部品屋さんがあるが、真空管とトランス以外は、だいたい一箇所でそろってしまうお店があったりするので、そんな所でそろえると便利だ。どこの品質がいい、とか、どこが特別安い、といったことはあまり気にする必要はなく、だいたい、どこで買ってもOKだ。

もっとも、部品あさりも慣れてくると、「あそこは何が安い」とか「あそこは親切に相談に乗ってくれる」とか「あそこは品揃えがいい」とかだんだん分かってきて、ひいきの店ができたりするものだ。部品屋のオヤジさんと雑談ができたり、対等に話しができるようになったりしたら、もうあなたは完全な「通」である。オヤジさんたち、みな超ベテランだから。自分も、最初、二十年以上のブランクを経て部品を買いに行ったときは結構緊張したが、じきに慣れた。ここに書いてあることぐらいの知識を仕入れておけば、まあ、けっこうリラックスして買い物を楽しめるので心配ない。

それでは、部品を買うときの注意点やコツなどを、以下に部品別に話して行くことにしよう。

真空管


左から6V6GT、5AR4、12AX7WA
真空管の購入は、やはり真空管専門店に行くのがいいだろう。ラジオデパートにもあるし、ラジオセンターにも、ニューラジオ会館にもある。店頭で自力で探すよりはオヤジさんに直接言うか、リストを見せる方が早い。6V6GTと12AX7と5AR4を一本ずつ買うわけだが、口頭で言うときは、「ロクブイロクジーティー」「ジュウニエーエックスナナ」「ゴーエーアールヨン」などという言い方をする。見事な日本語英語チャンポン読みでなかなか面白い。

さて、真空管は、同じ型名でも複数の製造メーカーがあるので、型名とメーカーを指定しないと特定できない。秋葉の真空管屋さんのオヤジさんには足元を見たりボッたりする人はいないので、型名だけ言うとだいたい「どこ製とどこ製とあるけどどれにします?」とか「何作るの?」とか聞かれて相談に乗ってくれる。

真空管の製造元に凝るのは、まあ、後回しにして、「一番安いのでいいです」っていうのでいいんじゃないだろうか。安いのは、だいたいロシア製か中国製あたりのもので、気分で決めればよいだろう。特にロシアのSovtek(ソブテック)の球はしっかりしていて安くてよろしいかと思う。

もちろん、ギターアンプ、ということで、フェンダーとかVOXとかマーシャルとかその他ギターメーカーが出しているギターアンプ用の球を買う、というのもある。しかし、もっとも、これらギターアンプ用真空管の元々の製造がどこで行われているかはよく分からない。当たるも八卦みたいなものだろう。

それから、例えば12AX7という型番の後に、「12AX7A」とか「12AX7WA」とかアルファベットが付いていることがあるが、これは製造の仕方や構造に違いがあるなどで、電気特性に大きな違いはないので、当面無視してしまって構わない。ちなみに今回はSovtekの12AX7WA(12AX7の高信頼管)を使っている。

あとこれはまた後ほど色々お話するが、パワー管の6V6GTやプリ管の12AX7なんかは中古モノやジャンクモノでたまにとてもいい音がする球に出会うことがある。ことギターアンプの球については、新品がいいというのはあまり無いような気がする。

まあ、この辺は好みと財政状況によりけりなので、最初は安値優先、そのあとに色々試して遊んでみるとよい。

真空管ソケット

USオクタル
MT9ピン
真空管ソケットにはいくつか種類があり、詳しくは後ほど解説する。ここで使うのは、6V6GTと5AR4用の「USオクタル」(または)US8ピン)というタイプのソケットと、12AX7用の「MT9ピン」というタイプのソケットである。

ちなみに、6V6GTと5AR4は「GT管」というタイプで、12AX7は「MT(ミニチュア)管」というタイプになる。MT管には9ピンだけでなく7ピンタイプもあるので要注意である。

このへんは分からなかったら、やはりお店の人に真空管に合うヤツを聞いて買えばいい。このソケットにも材質などによっていくつか種類があるが、まあ、これも一番安いものを買えば十分であろう。

抵 抗


上から、セメント抵抗、
酸化金属皮膜抵抗、カーボン抵抗
部品売り場へ行くと抵抗は至るところで売っており、初めての人は戸惑うかもしれないが、どこで買っても一緒である。たしかに抵抗には色々な種類があり(詳細はあとで紹介する)、値段もピンきりだが、結局は、抵抗値とワット数だけ見て一致するものを買えばいいのである。これも一番安いのを選んで買えばいいだろう。

例えば1/2Wの抵抗はだいたい一本15円ていどで買える。これが、例えば有名なオーディオ用高級抵抗などになると一本100円ぐらいしたりする。行くところへ行くともっとすごいビンテージものなどもある。そっち方面に凝るのも、後回しでいいだろう。

ちなみに、1/2Wの安い抵抗はふつうカーボン抵抗と呼ばれるものが主流で、ルックスで言うと「カラーコード抵抗」で、色分けされた帯が何本か入っているものである。1W以上のものにはあまりカラーコードタイプはなく種類もいろいろだが、どれを買っても、まあ同じなので値段とルックスの好みで選べばいいだろう。

また、場合によっては指定の抵抗値とまったく同じ値のものが無いことがある。そのときは、1割以下の違いはあまり気にせず近い値のものを買えばよい。それから、ワット数で同じのが無いときは、指定より大きいワット数のものを買えばよい。

ここでは、1/2Wはカーボン抵抗を、1Wと3Wのものは茶色い色をした酸化金属皮膜抵抗を、10Wのものは白くて角型のセメント抵抗を使っている。

ボリューム


ボリューム
1MΩA型と10KΩA型のボリュームを買うのだが、これにもいくらか種類はある。だいたい、いろんな大きさのものが売っている。これは、ワット数の違いであることがほとんどで、大型のものほど許容ワット数が大きい。今回、どちらのボリュームも回路上で使用するポイントでは電力も電圧もかからないので、小さなもので十分である。ここでは、割りと小さめのものを選んだ。

コンデンサ


コンデンサ
コンデンサも至るところで売っている。コンデンサにもいろいろ種類があって、値段もピンきりなのは抵抗と同じである。容量と耐圧が合っていれば、一番安いやつで十分である。0.02μFで400Vなら一本30円ぐらいで買える。

コンデンサの高級なやつは、高級オーディオ用抵抗よりずっと重症で、下手をすると一本50円で買えるようなものが、手作り品で一本1000円以上などというものまである。コンデンサは抵抗より音質に影響すると言われることが多いせいであろうが、マニアになるのは後にして、まずは安値優先でよいと思う。

コンデンサも、ぴったりの値が無いときは近い値のもので十分である。また、耐圧でちょうどが無いときは、指定より耐圧の高いものを買えばよい。

電解コンデンサ


電解コンデンサ
左が縦型、右がチューブラ型

ブロック型電解コンデンサ
シャーシーマウントタイプ
電解コンデンサについては、先の抵抗やコンデンサと違って高級品というのはあまり無く(もちろんあることはある)、逆に、安売り品が横行していたりする。ちょっとしたジャンクショップのようなところへ行くと、通常の半値以下の電解コンデンサが箱にごろごろと入って売っていることがある。実は、自分はこれをよく利用するが、まれに品質の悪いものがあるので、賭けである。最初は、ちょっと高くても、ふつうのお店で買った方が無難である。

電解コンデンサには、写真のように、両端からリード線がでているタイプ(チューブラ型という)、片側から2本リード線が出ているタイプ(縦型という)、シャーシーにマウントするタイプ、基板取り付け用のタイプなど、いろいろな形がある。どれを買っても同じだが、そのときどきで、配線のしやすいものを選べばよい。今回のアンプでは、すべてチューブラ型を使っている。

電源トランス


東栄 P-75
今回、経済的なトランスをいろいろ出しているラジオセンターの東栄トランスから選んでみた。直接お店に行ってお店の人に、部品表のトランスの型番を見せれば出してくれる。

今回の回路で指定しているトランスは、東栄トランスオリジナルなので、東栄トランスでしか扱っていない。別のお店に行くと、違うメーカーの、仕様の異なるトランスになってしまう。その場合、お店の人に、部品表に書いてある仕様を言って、回路図なども見せて、適当なものを選んでもらうことになる。

ただし、まったく同じものは普通、あまり無いので、どうしてもあるていどの知識がないと、お店の人に聞かれたときに答えられずに困ったりする。たとえば「電流容量がちょっと大きめだけど、それでもいい?」とか「電圧が20V高くなっちゃうけどね。それがダメなら特注になってしまいますよ」などなどと言われても最初はチンプンカンプンであろう。

と、いうわけで今回のプロジェクトでは、東栄トランスへ行って指定の型番のものを買うのが無難なのでそうした方がいいだろう。

出力トランス


東栄 OPT-5SR
出力トランスも東栄トランスである。部品表の型番を見せればすぐに出してくれる。今回使ったものは、写真のように黒いカバーがついて、色分けされたリード線が出ているOPT-5SRというものである。これに対してOPT-5Sという、型番の最後に"R"が付いていないものもあり、これは中身はまったく同じだが、カバーとリード線が付いておらず、むき出しのものである。

さて、電源トランスの場合は、電圧と電流が同じなら、別に何だってあまり変わりはないのだが、出力トランスの品質はちょっとばかり事情が異なる。出力トランスには音の信号がもろに通るので、音質にけっこうな影響を与えるのである。もちろん、抵抗やコンデンサにも音の信号が通っているのだが、これらの部品は造りが割りとシンプルで安価で特性のいいものが作れるので、音の違うはそれほど大きくはなく、一番安いのを買えば十分なのだ。

しかし、この出力トランスについては、素子の振る舞いがけっこう複雑で、その品質によって音質にかなりの影響を与える。この辺の事情は、特にオーディオアンプを作ろうとした時には顕著である。

ここでオーディオアンプの場合、乱暴に言うと、値段が高いトランスほどいい音がする。これまた乱暴に言うと、音のよさはトランスの大きさや重さに比例していて、あまり小さなトランスは、特に低音がうまくトランス内を伝わってくれず、低音が思うように出なかったり、高音も同じくちゃんと出なかったりするのである。

高級なトランスになると、ばかでかく、重く、一個で軽く一万円を越えてしまう。今回の出力トランスの仕様は「7kΩ:8Ωのシングル用出力トランス」で、今回の東栄のは2500円ぐらいだが、高価なものは調べてみると3万円以上するものがけっこうある。10倍以上の値段の違いで、実にバカ高い。もちろんそうなると大きさ、重さも半端じゃなく1kg以上あったりする。

まあ、カネが有り余っているなら買ってもいいが、まあ、こんな小さなギターアンプにそういうトランスを使うのはほとんどナンセンスなので止めた方がいい。

ヒューズ


ヒューズホルダーとヒューズ
ヒューズにも実に色々な種類があるが、真空管アンプでふつう使うのはガラス管に入った管ヒューズである。これにも長いのと短いのがあったりするが、どちらでも構わない。ここではコンパクトな短いタイプを使った。

また、ヒューズを格納するヒューズホルダというものを合わせて買うのだが、これはちゃんとサイズの合ったものを買わなければいけない。お店の人に現物で確認して買う。

スイッチ


2Pスナップスイッチ
ここでは、100V、2A以上のスイッチを使う。スイッチの図体のどこかに、この電圧電流値が書いてあるのでそれを見て選ぶ。ちなみに、何も書いていないものは小電流用ということで、電源を入り切りする用途には使えないと思った方がよいだろう。

ちなみに、スイッチには接点数によっていろいろなものがあるが、ここでは電源を入り切りするだけなので2接点(2Pという)でもいいのだが、あるいは3接点(3Pという)のものでもいい。ここでは写真のような2接点のものを使った。

トゥルーバイパススイッチ


6Pフットスイッチ
このスイッチは、ギタリストにはおなじみ中のおなじみの足踏みスイッチ、エフェクターについているアレである。ここでも、このスイッチをエフェクターのバイパス用に使う。

せっかくなのでトゥルーバイパスのものを使った(このへん詳しくはまた後ほど)。端子が6つ出ており、それで6Pである。トゥルーでなくてよければ3Pでも実は間に合う(市販の多くのエフェクターが3Pを使っている)。6Pは3Pのスイッチが2つ入っているタイプで、1章の回路図の頭とケツに入っているのがトゥルーバイパス回路である。ちなみに3Pを使うときは頭の方を省略してケツだけにスイッチを入れる。

あと、スイッチには「モメンタリー」と書いてあるやつがあるが、これはこの用途には使えない。モメンタリーとは、例えばこのスイッチであれば、踏んでいる時だけ切り替わり、足を離すと元に戻るタイプである。モメンタリーすなわち「一時的」である。モメンタリーの反対は「オルタネイト」で、何も書かれていないときは普通このオルタネイトを指す。

パイロットランプ


ネオン型パイロットランプ
前述したようにパイロットランプには、LED、ネオンなどいろんな種類があるが、ここではAC100Vで点灯させるので、図体にAC100Vと記載されたものから選ぶ。今回、ギターアンプということで、ちょっと無骨な赤い光のものを選んでおいた。このランプや、スイッチや、ボリュームのツマミなどの部品は、前面パネルに出てくるので、各自こだわりで選べばいいだろう。

ACケーブル

ACインレット
ACケーブルは、ケーブルの片側が切りっぱなしのものを買ってきて、シャーシーからケーブルがブラブラと出るのでもかまわないが、アンプを移動するとき結構うっとうしいので、ここでは、シャーシー側にジャックを取り付け、ACケーブルをプラグで抜き差しできるタイプのものを使った。このジャックをACインレットと言う。

これを使わず、シャーシーからACケーブルを直接出すときは、長く使っているうちにシャーシーの穴の部分でケーブルが擦り切れてショートなどしないように、保護用のゴムブッシュというものを穴に取り付ける。

ラグ板


縦型ラグ板
ラグ板とは写真のようなもので、縦型と平型とあり、内部配線の中継に使う。ここでは縦型の大型のものをいくつか使っている。

シャーシー


1mm厚のアルミシャーシー
シャーシーは売り場に行くと分かるが、ピンからキリまでいろいろある。ここで使っているのは1mm厚のアルミを曲げて作ったもので、最も安価なものである。ルックスがほとんど弁当箱なので、むかしから弁当箱シャーシーと言われてきたものである。アマチュアの真空管電子工作に昔からもっともよく使われてきた安物シャーシーで、いかにも「基本」という感じがする。

大きさもいろいろなものがあるが、ここでは、250×200×60(mm)を使っている。

線材いろいろ


線材いろいろ。左から、ビニール線、スズメッキ線、
シールド線、ガラスエンパイヤチューブ、熱収縮チューブ
一般にビニール線 と呼ばれる、ビニールの被覆のかぶった銅のより線を使う。太さがいろいろあるが、真空管アンプの配線では銅線部分の断面積が0.5mm2(銅線部分の直径が0.8mmぐらいで、ビニール込みの直径が2.4mmぐらい)のものを使えばどこでも十分であろう(AWG20などと書いてある)。ただ、ちょっと太すぎて使いにくいので、電流がそれほど流れない部分では0.3mm2(銅線部分の直径が0.6mmぐらいで、ビニール込みの直径が1.8mmぐらい)のものでもいいと思う(AWG24)。ここでは、電源、ヒーターまわりの配線には0.5mm2のものを、それ以外の部分には0.3mm2のものを使っている。それから、線の色もいろいろあり、適宜使い分けると、あとでチェック時などに便利である。私は、あまり色分けは真面目にやっておらず、黒と緑の赤の3色をきままに使っている。

導線部分が露出するような使い方の部分は、被覆のない錫メッキ線 がよく使われる。ここでは、アース母線部分に0.5mmの錫メッキ線を2本より合わせてハンダメッキしたものを使ってみた。

シールド線 は、ふつうのオーディオ用ケーブルに使われているもので、小さな音声信号を長く引き回すときなどに、外来ノイズを遮断するために使われるものである。ここでも、ツルーバイパススイッチから背面の出力ジャックへの配線に外径が4mmぐらいの1芯シールド線を使っている。

エンパイヤ・チューブ は、絶縁用の細い管である。抵抗やコンデンサーのリード線が互いにショートしそうな部分に被せて、絶縁するのに使う。ガラス繊維で出来たガラスチューブが、熱に強く使いやすいだろう。

熱収縮チューブ は、加熱すると収縮する特殊なチューブである。シールド線の端の処理などに使う。使い方は後で説明するが、ここでは、シールド線の径が5mmなので、それに合わせて7mmの熱収縮チューブを使っている。

入出力ジャック


標準ジャック
入出力用のジャックには、写真のようなむき出しの安いやつを使っている。全体がプラスチックの中に入っているものなど何種類かある。

このタイプは、シールドケーブルのアース側が取り付けのネジ部分と共通になっているもので、シールドのアースがそのままシャーシーに接続されることになる。それがイヤな場合は、アースが取り付けと絶縁されているタイプを使わないといけない。ただ、それはオーディオアンプなどで特殊な場合で、ギターアンプはこれでよい。

入出力ジャック(スイッチ付き)


標準ジャック(SW付き)
こちらは、1章の回路の最後の方にあるスピーカーアウト用に使っているスイッチ付きの標準ジャックである。これには端子が3つあり、左の写真に書き込んだように、プラグを指した時に切れる接点がついている。これを使って、スピーカーを接続したときはスピーカーが鳴り、スピーカーを接続しないときはラインアウトが生きるような回路になっている。

ネジ


左から、ボルト、ナット、
ワッシャー、スプリングワッシャー
ネジのたぐいは何でもいいが、トランス取り付けに4mm、その他のものに3mmのステンレスものを使った。後述するスプリングワッシャーも3mm用と4mm用を購入し、使っている。トランスのような大物部品以外はだいたいが3mmのネジが使われているので1cm長さていどのものを適当にそろえておくと良い。