悪いことがあまりに続いたときは墓参りが効くそうだよ


これはある人から聞いたのだが、何か悪いことが続いたり、身内の誰かが閉じこもるようになってしまったとか、精神病になったり、ということが起こったときは、たいてい先祖の墓が、荒れていたり、苔がついたり、汚れていたりするのだそうだ。だから、このようなときは、嘘だと思っても、一度お墓参りをして、お墓をきれいに洗ってきた方が良い、と言うのだ。これを聞いたとき、何というか、とても生々しく、いかにもありそうな感じがして、ひどく印象に残った。結局、僕は墓参りに行くことはほとんどなく、何々回忌といった節目に呼ばれて行く程度なのであるが、実際に行ってみると実に落ち着いた気分になることは確かで、すがすがしい感じさえするのは不思議である。まあ、だからといって、それで事がうまく進むということでもないのだが、気持ちのよいものである。もっとも、上記の彼の言葉の印象は、そんなふつうの生活レベルの話しではなく、墓石に苔が生えている、というイメージと、精神が病んでいる、というイメージが妙に結びついている感じがした、ということなのだが。