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■香港大衆料理


香港の典型的な大衆食堂

少し前、久しぶりに香港に旅行し、かつて自分が夢中になっていた大衆料理を、また一通り食べてきた。返還前の香港に比べると、街中の雰囲気や、臭いや、雑踏など、ずいぶんと整理されてきれいになったように感じたが、街中の変哲ない食堂で出される飯は、それほど変化はないようで、香港の大衆料理は相変わらず健在であった。

僕が初めて香港へ行ったのは1989年のときのこと、そのすさまじい雑踏とエキゾチズムにめくるめく思いをして虜になり、それから1997年の中国返還までの間に十数回は渡航した。目的の大半は、その独特な大衆文化、なにより大衆料理の世界に浸ることであった。

そんなわけで、当時、自分の経験を元に香港の大衆料理についてまとまった短い文章を書いたことがあり、今回、それを十年ぶりに引っぱり出し、このページにまとめ直してみた。今でこそネットを調べてみると香港の大衆料理について書かれたものもちらほら出てくるが、やはりあまり体系だったものはなく、むしろ旅行記や旅行ガイドに近いものが多いようである。

研究書っぽく書くのが、さいきんの自分の好みなのだけど、あまりに詳細な学術文にしてしまうと読みにくいし、その中間ぐらいをねらってまとめてみた。十年前の内容が元になっているので、今現在の香港の実体といくらか離れている部分があることをお断りしておく。 あと、本文に入れた中国語の読みは香港で使われる広東語ではなく、北京語である。自分が中国料理を北京発音で学習したので、そのためである。

それから、ところどころにミニレシピなども入れ、一般にはなかなか紹介されることのない香港大衆料理の製法も紹介してみた。 こちらは、これまで色々調べて自分でも試して検証済みのもので、簡単なものだけ載せておいた。調理については詳しくはまたいつか項を改めてまとめてみたいと思う。


2009年12月
林正樹

 



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