アメリカの影
(ジョン・カサヴェテス)
この、アメリカの影、1960年に公開された、インディーズの先駆け、革新的手法により作られた、記念碑的作品だそうで、ヌーベルバーグとか呼ばれたそうだ。音楽はチャーリーミンガスらのジャズ、それで、当時の若者、ショービジネス、ジャズマン、文学屋たちがひたすら脈絡のない日常生活を繰り広げる。この映画、正直言って、前半、破壊的につまらなかったなあ、で、後半は、というとやっぱりつまらなかった。それで、最後の最後、テロップで「この映画はストーリーを設定せずに即興的手法で作られました」と出てくる、なーんだ、それを早く言ってよ。1960年と言ったら、ちょうどマイルスデイビスがモード奏法を生み出して、ジョンコルトレーンがフリージャズへの道を歩み始めていったときじゃないか。それまでのストーリーのあるコード進行主導型から自由になり、基調だけを決めてメロディ主導型へ切り替えたこのモード奏法、最初は単調でつまらなく聞こえるんだけど、はまり出すとはまるんだよなあ。映画でもそうなのかなー、楽しみ方がなんとなく分かったら、けっこういい感じに見られるのかもね。