ピンク・フラミンゴ(Pink Flamingos)
(ジョン・ウォーターズ)

いわゆる下品系カルト映画界ではこの映画はおそらく金字塔的な作品だろうな。ずいぶん昔そんな映画ばかり見ていた自分にとってもこのピンク・フラミンゴ、そして何よりも、どぎつく着飾ったデブなゲイの主演のディヴァインがカッコよく、大好きだった。とはいえ、これは、まあ本当にヒドイ映画である。下品の限りを尽くしたような、極めて殺伐とした映画なので、普通の人にはまったくお勧めできない。ところでこの映画、ホームビデオみたいなので撮影して、そのフィルムをぶちぶちつないで作ったみたいで、音とかを別入れしたりミキシングとかしていない。なので、音楽がかかっているときはしゃべりは無しで音楽だけ、しゃべりのところは逆に音楽なし、といった風で面白い。それで、かかる音楽がこれまた下品っぽい黒人音楽ばっかりで、それもこの映画が大好きな理由だった。なかでも、後半の酒池肉林の人肉バーベキューパーティーの出し物の中に、肛門を開け閉めして歌う男が出てくるのだが(いや、コレがホント信じられない芸当)、そのときにかかるR&B調の歌がいまだに誰の曲か知らないのだが、僕が思うに、これ以上下品な曲は古今に無いのでは、と思われる、これすごいわ。あと、オープニングの、野外に置いたピンクフラミンゴの模型を淡々と映す映像に流れるインストのR&B調ブルースも、いいわ〜

ところで、改めていまこの映画を十数年ぶりに見てみたのだが、かなり見るに耐えないかも。やっぱり、決してお勧めはできないかな。こういうのには若いころの方が耐性があるみたいだ。