棒棒鶏

棒棒鶏 

おなじみのバンバンジーで、元々は四川料理である。ゆでた鶏肉にゴマダレをかけた冷菜で、鶏肉を棒で叩いて柔らかくして作ることからこの名前がつけられたそうである。

下ごしらえと調理

作り方
  1. ふたのできる鍋に水をはり、鶏胸肉1枚、ネギ、ショウガ、塩適量、粒山椒小1を入れ、中火にかける
  2. 沸騰したらアクを取り、すぐにふたをして火を止めて、そのまま1時間以上放置する
  3. 芝麻醤大1.5、ショウユ大1、老酒小2、砂糖小2、酢小1を火にかけて溶かし、沸騰したらニンニク、ショウガ各少々をすりおろして入れる
  4. キュウリ1本の皮をむき、5mmぐらいの薄切りにし、塩を振っておく
  5. ゆでた鶏肉を、なるべく繊維に沿って5mmぐらいの薄切りにする
  6. キュウリを皿の中央に盛って、これを鶏肉でかぶせるようにして、丸くまとめておく
  7. ゴマタレをまんべんなくかけ、ネギのみじん切りを振り、ゴマ油小1、ラー油大1.5をかけ、最後に白ゴマを振る

  • 本来の棒棒鶏は、ゆでた鶏肉を棒でまんべんなく叩き、これを手で繊維なりにさいて、細切りにした副材料と共にタレをかけて作る。
  • 棒で叩くのは肉質を柔らかくするためで、元来がしっかりして硬い中国の鶏肉であるからこその技で、現在の日本の鶏肉ではこれはあまり当てはまらないと思う。
  • ここで紹介している、沸騰したら火を止めて余熱のみで火を通すやり方だと、かなり柔らかく仕上がるのでお勧めである。ポイントはスープで飲めるぐらいの塩味をつけること。1時間以上置くことである。そのままスープにつけて冷蔵庫に入れ、翌日ぐらいに食べるのでもよい。
  • ビデオでは、芝麻醤に甜醤油という作り置きの甘いショウユを合わせてタレを作っている。
  • ラー油は自家製のおいしいものを使っている。作り方はココ
  • 本場の四川省成都でもこの棒棒鶏を注文してみたが、鶏肉は十分に歯ごたえがあって、タレはゴマダレという雰囲気ではなく、香辛料がふんだんに入ったずっと複雑な独特の四川臭が漂っていて、ここで紹介しているものと、実はずいぶん違う。全体に大陸的でおおらかな感じ、それに比べてここで紹介しているものは肉は柔らかくタレはまろやかで日本らしくわりと軟弱(笑)

 

宮保鶏丁

鶏肉とカシューナッツのトウガラシ炒め 

鶏とカシューナッツの組み合わせはなかなか人気があるようである。料理店によって色々な味付けで作られているこの料理だが、ここでは、トウガラシに甘酢を合わせた四川料理の典型的な味付け「宮保(ゴン・バオ)」で作ったものを紹介する。





作り方
  1. 鶏胸肉200gを角切りにしてボールに入れ、塩、コショウ、ショウユ各少々、酒大1で下味をつける
  2. 片栗粉大1ていどを入れ、水を適宜加えて適当な固さにまとめ、油大1/2を入れ軽く混ぜる
  3. ネギを1cmぶつ切り、ショウガを薄切り、ニンニクをみじん切り、ニンニクの芽を3cmに切る
  4. トウガラシを半分にちぎり、種を出しておく
  5. ボールに、ショウユ大1.5、酒大1、砂糖大1、酢大1、水大1弱、コショウ少々、片栗粉小1/2を合わせておく
  6. 鍋を空焼きし油を回し入れなじませたら油2カップていどを入れる
  7. カシューナッツを入れ弱火でゆっくり揚げる。薄茶色に色づいたら上げる
  8. 鍋に油大3を入れ、弱火でトウガラシを赤黒くなるまで炒める
  9. 鶏肉を入れ、あらかたほぐれたらニンニクの芽を入れ、火が通るまで強火で炒める
  10. ネギ、ショウガ、ニンニクを入れ軽く炒める
  11. 合わせ調味料を良く混ぜて、少しずつ加える
  12. 鍋をあおって調味料を炒りつけて、出来上がり

  • 四川料理の宮保(ゴン・バオ)の調理法は、油でトウガラシを炒めてラー油を作り、その中で材料を直接炒めて香ばしい香りを生かし、味付けは軽い甘酢を使う、という特徴がある。僕は、陳建民の本でこれを習ったが、四川省へ実際行って食べてみたら、たしかにその通りのものが出てきた。
  • 今回のビデオでは花椒を切らしていて使っていないが、本来は、まず花椒を大1/2ぐらい油に入れ熱し、香りが立って黒くなるまで炒め、黒くなった花椒を取り除いて、そこにトウガラシを入れる。
  • カシューナッツを揚げるときは、薄茶色に色づいたらすぐ引き上げること。引き上げてからしばらくは色づきが進行するので、茶色になるまで揚げてしまうと取り出してから黒く焦げてしまう。
  • ここでは合わせ調味料に最初から片栗粉を入れているが、後から水溶き片栗粉を入れてもよい。その場合、カシューナッツは、片栗粉を入れた後に最後に合わせる。水気のある調味料をカシューナッツに直接かけるとあっという間に水気を吸って歯ざわりが悪くなる。
  • 調味料は少しずつ入れ、入れた後もなるべく調味料を高温で炒りつけるようにして味を出すこと。それが炒めものの味付けのコツである。
  • 炒めものの場合は例によって化学調味料系は入れなくても十分おいしくできる。もし入れるときは、小さじ半分〜一杯ぐらいのかなり大量を入れないと、あまり効かない。

 

青椒肉絲

チンジャオロースー 

豚肉とピーマンの細切り炒め、すなわちチンジャオロースーです。この中国語もすっかり日本語で定着しましたね、おなじみの中華メニューです。今回は、高級中国料理系の作り方を紹介します





作り方
  1. 豚赤身肉150gを細切りにしてボールに入れ、塩、コショウ、ショウユ各少々、酒大1で下味をつける
  2. 片栗粉大1ていどを入れ、水を適宜加えて適当な固さにまとめ、油大1を入れ軽く混ぜる
  3. ピーマン、タケノコ、ネギ、ショウガをすべて細切りにする
  4. ボールに、ショウユ大1、酒小2、砂糖小1弱、水大1、コショウ少々を合わせておく
  5. 鍋を空焼きし油を回し入れなじませたら戻し、改めて油2カップていどを入れる
  6. タケノコを入れ、豚肉を入れ、ゆっくりとかき混ぜてほぐし、火が通ったらザレンにあげて油を切る
  7. 残り油でピーマンを炒め、色が鮮やかになったら先のザレンの上に一緒に乗せておく
  8. 鍋に油大1を入れ、ネギ、ショウガ、オイスターソースを大1/2を入れ軽く炒めたら合わせ調味料を入れ、鍋肌を使って調味料を焼く
  9. 材料すべてを戻し入れ、まんべんなくからめる
  10. 水溶き片栗粉少量で汁を止め、油少々でツヤを出したら皿に盛る

  • ここでのやり方は高級系で、仕上がりの味、香り、見た目もきれいで誰が食べてもおいしい万人向けの出来になる。
  • 逆に、材料を直接鍋で油炒めして味を付けてゆく方法もあり、こちらは派手さはまったく無いが、これもまた捨てたものではない。いつだったか京都河原町の北京料理屋でそのようなものを食べたことがあり、その大陸系料理の力強さに感動したことあり。
  • 豚肉の下味付けのとき、高級料理店では片栗粉だけでなく卵白(あるいは全卵)を入れ、さらに口当たりの滑らかさを出す。ここでは家庭的に片栗粉と水で済ませている
  • 油通しで一番多い失敗は、おそらく片栗粉のついた豚肉が団子状になってしまう、さらに鍋肌にびっしりとこびりついて焦げてしまうということだろう。
  • 鍋肌にこびりつくのはたいていの場合、鍋の空焼きの不足である。家庭の火力では2,3分は強火にかけっぱなしで、表面の油が乾き、鍋肌がつやが無くなり青っぽくなるまで焼くのが目安である。よく、煙が出るまで焼く、と書かれているがあれでは普通足りない。プロの火力であれば、そういう目安でもよい場合があるようだが、家庭ではそうは行かない
  • うまくバラバラにほぐすのはちょっと手さばきが難しいが、箸を使ってほぐすのが一番手軽でいいと思う
  • ここでは、合わせ調味料を先に鍋に入れ、そこに材料を戻しいれている。これは、家庭の火力では材料を入れた途端に鍋肌の温度が下がり、うまく味が出ないからである。味をしっかり出すには、どうしても調味料を高温の油で焼く必要があるのである
  • このようにきちんと調味料の味を出すことができれば、調味料にダシを使う必要はなくなる。炒めものでダシを使っても、ふつうかなりの量入れない限り味に変わりは無い。ダシ無しでうまく味を出せるようになるのがよい
  • 以上、高級系はなかなか大変だが、ひとえに慣れである。うまく作れないうちは、特に全体が油っこくてたまらない、という風になってしまうことが多いが、慣れてくると、余計な油は皿に下に流れ出し、料理そのものは軽く、あっさりとした感じに仕上がるようになる。

芙蓉蟹飯

天津丼 

天津丼といえば、玉子焼きをご飯の上に乗せてアンをかけたものだけれど、これは恐らく日本のオリジナルだろう。本国の天津にこんなものがあるとも思えない。この大衆中華も、カニ玉やアンをちゃんと作るとけっこう旨い





作り方
  1. 生しいたけ2個、タケノコ、ネギを細切りにする
  2. 以上を、さっと油炒めして、老酒小1を加えて軽くかき混ぜ香りを立てておく 
  3. 卵4個に、塩適量、コショウ少々、極少量ゴマ油を入れ溶いて、安フレークカニ缶を汁ごと上記を加え、先の野菜類も入れて軽くかき混ぜる。味見して塩加減を見る
  4. ショウユ大1.5、砂糖大3、酢大3、老酒大1、コショウ、化学調味料少々、水120ccを合わせる 
  5. 油大2を熱し、卵汁の半量を入れてかき混ぜ、丸くまとめ、ひっくり返し、若干焦げ目がついたらご飯に乗せる。この量で二人前 
  6. タレを煮立て、とろみをつけ、ゴマ油と油少々を加えて、これを卵の上からかける

  • 卵の炒め方にコツがある。
  • まず、鍋を激しく空焼きすること。そこに油は大さじ2杯ていど多めに入れ、卵汁を一気に加えたらあわてずにゆっくりと卵の外側の泡立っている部分を中に折り込むようなイメージで扱う。ガチャガチャとかき混ぜてはいけない。時々、底をすくって卵の位置を変え、とにかく卵の層を作るような感じで炒める。口で言うのは難しいのでビデオを参照のこと
  • 丸くまとめてひっくり返してさらに焼くが、卵の表面を杓子で押さえてちょっと弾力が出てきたら、それでいい。ちなみに、以上はずっと強火である。このようなやり方で炒めた卵は、ふわっとして、味もおいしく、そのまま出しても一品料理として十分通用する仕上がりになる
  • と、いうことなので、天津丼の時に使うカニは、安いフレーク状のカニ缶でいいと思う。逆に、もののよいカニや高価なカニ缶の場合、天津丼にするのはもったいなく、卵を炒めた時点でそのままお出しする方がいいと思う。
  • 2枚目を作るとき横着せずに、ちゃんと鍋をきれいにすること
  • タレのコツは、常に強火で処理することである。とろみをつけたら油を入れて沸点を高くし、かき混ぜていると、大きく泡立つようになる。そうなったらできあがりである
  • 泡が大きくなるのは、甘酢の砂糖が高温でいくらか飴状になるからと思われ、コクのある仕上がりになる
 

 

姜葱炒麺

広東風焼きソバ 

香港で「ソース焼きソバ」なんて言われている、オイスターソースで味付けした焼きソバである。香港、広東では、どこでも食べられる庶民の味だと思うが、これも意外と日本では出す店が少なかったりする





作り方
  1. 中国産の蝦子麺を3つ用意する
  2. ネギ、ショウガ少量をみじん切りにする
  3. ニラを5cmぐらいのぶつ切りにしておく
  4. お湯を沸かし、油大1を入れ、麺をゆでる。しばらく放置したのち、箸でよくほぐし、全体にほぐれたらザルに上げる。2分ほど
  5. 中華鍋をよく空焼きし、油を大2入れ、火から離し、ネギショウガを入れ、軽く炒める
  6. 強火にして、老酒大1を入れ、鍋を傾けて火をつける(危険なので注意。火をつけなくてもよい)
  7. オイスターソース大1を入れ、ちょっと炒めたら、熱湯を100cc入れる
  8. ショウユ小1、化学調味料、コショウ、塩、各少量で味付けする
  9. 麺を戻し入れ、モヤシも入れ、汁気を吸わせるように炒める
  10. 汁気がなくなったら、ニラを入れ混ぜ、ゴマ油小1を入れて、軽く混ぜて、出来上がり

  • 蝦子麺はエビの卵を練りこんだ麺で、独特のすえたような香りがこの料理によく合う。卵の入った全蛋麺を使ってあっさりと仕上げてもよい
  • 香港で注文するとかなり黒い色の麺が出てくるが、あれはショウユに老抽というものを使っているからである。日本で言うとちょうどたまりしょうゆに相当する。老抽を使っても味にそれほど変化は無いが、黒く仕上がり中国っぽくなる
  • ここでは黄ニラが手に入ったので使っているが、緑色のニラでも十分。ただ、黄ニラの方が上品で、高級っぽい
  • コツは、まず、麺を入れるまでに調味料類を極力高温で処理すること。火をつけると独特の香ばしさが出るが、かなり危険なのであまりお勧めしない。火をつけなくとも、強火で調味料を焼くようなイメージでやるとうまくいく。逆に十分に焼かない調味料では味が簡単にぼけてしまう
  • 麺を入れてからは、鍋肌に焦げつかさず、しかし、十分焼きを入れる、という矛盾したことをするのだが、やはり手早く強火で処理すること
 

 
乾焼明蝦

有頭エビのチリソース煮

ご存知エビチリだが、ここでは頭つきのエビを丸ごと使ったものを紹介する。頭つきは、特に、エビミソがソースにしみ出して、独特の風味に仕上がる。





作り方
  1. 頭つきのエビは、脚、ひげ、目をハサミで切り落とし、尻尾の部分の尖った部分も切り落とす
  2. 背中から楊枝を入れて背ワタを取り出しておく
  3. 多めのショウガ、ニンニクをみじん切り、多めのネギを荒みじん切りにしておく
  4. 鍋に油を熱して、エビを入れ、強火で表面を焼く。ひっくり返しながら赤くなったらザルに上げる
  5. 鍋をきれいに洗って、きれいな油大3を入れる
  6. ショウガ、ニンニク、豆板醤大1、ケチャップ大2を入れ、弱火で焦がさないように炒める
  7. 熱湯100ccを入れ、塩、コショウ、砂糖大1、酒大1、ガラスープの素少量で味をつける
  8. エビを戻し入れ、少し煮る
  9. ネギを入れ、少量の水溶き片栗粉でとろみをつける
  10. 強火にして、ゴマ油少量と酢小1/2を入れ、底を焼いてツヤが出たら出来上がり

  • 有頭エビを使う時の注意は、新鮮なものを使うことである。たとえ頭つきとして売っているエビでも冷凍で安売りしているようなものは鮮度が悪く、臭みがあるのが普通なので、できあがった料理の全体に臭みが残り、台無しになる
  • したがって、鮮度のよくないものは有頭であっても頭は捨て、殻をむき、通常のむきエビと同様に調理する。むきエビバージョンのエビチリはまた後日アップします〜
  • ここでは殻をそのままつけて調理したので、食べる時に手がけっこう汚れる。殻の背中にハサミを入れておいた方が親切かもしれない。また、大エビの場合は真ん中で2つに切り離してもよい
  • チリソースの辛みや甘みなどの味付けは好みだが、塩はきちんと入れること
  • ケチャップの代わりにトマトピューレをつかうと、まろやかで上品な高級料理っぽい風味になる
 

 

干辺牛肉

四川風きんぴらごぼう

牛肉を細切りにして調味料で炒りつけて作る四川料理なのだが、ノリが日本のキンピラゴボウにそっくりなので、四川風キンピラとしておいた。味が濃くて辛くてお惣菜にぴったり



作り方
  1. ごぼう4本はささがきにして、ニンジン半本は細切りにする。キンピラと同じ 
  2. 牛肉150gも細切りにしておく。
  3. ネギを細切り、赤唐辛子3本を輪切りにしておく
  4. 鍋を鍋肌にツヤがなくなり青っぽくなるまで徹底的に焼く
  5. 多めの油、70ccていどを入れ、火を止めて赤唐辛子を入れ赤黒くなるまで炒める
    注) 焦げやすいので注意
  6. 牛肉を入れ、強火にして、水分が飛び、若干焦げるぐらいまで炒める
  7. 甜面醤を大1、豆板醤を大1入れ、強火で炒めて香りを出す
  8. ゴボウとニンジンを入れて混ぜ合わせてさらに炒める
  9. 醤油大1、酒大1、砂糖大1/2で味付けする
  10. 強火で調味料を炒りつけるようにして、さらにかき混ぜながら炒める
  11. 野菜がしんなりしたら、ゴマ油大1/2、ネギ、酢小1/2を加え、ひと混ぜして出来上がり

  • きんぴらごぼうなんて思いっきりお惣菜料理なのだけど、この四川バージョンは香りが刺激的で、辛くて、かなり強烈にうまい。酒にもご飯にも最高
  • 今回は入れていないが、最初にトウガラシを炒めるところで、四川の粒山椒を入れるとさらに刺激的でよい
  • 終始強火で、調味料を鍋肌に炒りつけることがコツの全てである。うまく炒りつけないと味がぼやけてしまう
 

 

蟹粉炒飯 (シェ・フェン・チャオ・ファン)

カニチャーハン

おなじみのチャーハンです。カニ肉とレタスを使ってふわっとした軽い感じのチャーハンに仕上げています





作り方
  1. ご飯を炊いておく。2人前で1.5合ぐらいの見当
  2. 卵2個を溶いておく。カニ肉はほぐしておく
  3. ネギを荒みじん切り、香菜の軸をみじん切り、レタスを細切りにしておく
  4. 鍋を鍋肌にツヤがなくなり青っぽくなるまで徹底的に焼く

  5. 注)家庭の火だと2,3分はかけっぱなしである
  6. 油を杓子一杯入れてなじませて、油入れに空け、改めて油大2入れる
  7. 弱火にして、卵を一気に入れ、軽くかき回したら、すぐにご飯を入れる
  8. 鍋を返しながらご飯をあらかたほぐしたら強火にする
  9. 鍋を返して空気を入れるのと、鍋肌に焼き付けるのとを交互にしながら炒める

  10. 注)鍋を返す時、鍋を火からあまり離さないようにする。ただでさえ弱い火が当たらなくなるので
  11. 塩適量、コショウ、鶏ガラスープの素小1/2、化学調味料少量で味をつけ、さらに炒める

  12. 注)最後にレタスを入れるので、ちょっと濃い目に調節する
  13. カニ肉を入れ、混ぜて、軽く炒める
  14. ショウユ小1/2を入れ軽く炒める
  15. レタス、ネギ、香菜を入れて全体に混ぜ合わせて、皿に盛る

  • チャーハンは鍋の最初が決め手で、鍋自体をものすごく熱くしておいてから、火を弱くして余熱で卵を半熟にする、ご飯を投入する、ざっと混ぜ合わせる、という手順でやるとよい。そして、すぐに強火にする。ビデオでは弱火にしたとき火が消えちゃってしばらく消えたままやってた。途中で気が付いて点けたけど、特に問題なくできているね
  • ここでのチャーハンはかなりあっさりしている。味にコクを出すには実際にはチャーシューを使う。カニと一緒に入れればよい
  • サラダ油の代わりにラードを使ったり、最初に豚の脂身のみじん切りを炒めて即席ラードを作って炒めたり、あるいは上記のようにチャーシューを使ったり、方法は色々ある
  • 最後にネギを入れると、ふわっと独特のよい香りが上がってくるのでそのタイミングで仕上げる。炒めすぎるとこの香りは消えてしまう、不思議なもんだ。香菜のみじん切りも独特のよい香りをたてる。香菜臭くはないので嫌いな人でも大丈夫だと思う
 

 

炒米粉 (チャオ・ミー・フェン)

焼きビーフン

どこにでもある大衆料理の焼きビーフンだけど、ちゃんと作るとホントにおいしくできる





作り方
  1. 干しえび大1.5をぬるま湯でもみ洗いした後、ゆるま湯50ccで戻しておく
    注)干しえびの表面には臭みがあるので必ず洗ってから使う
  2. 豚肉50gを細切りにする
  3. タマネギ半個を細切り、ニンジン細切り、ニラをざく切り、あとモヤシを用意する
    注)野菜はあり合わせである。ここでは彩りを考えて赤と緑をそろえた
  4. ネギ、ショウガは細切りにしておく
  5. 鍋にお湯を沸かし、油大1を入れ、ここにビーフン150gを入れて30秒ほどゆでる
  6. ザルに上げ、皿の上に広げ、ラップをかけて5分間おく。これでいい具合に蒸れてビーフンが戻る
  7. 鍋を空焼きし油をなじませ、油大1を残してビーフンを平らにならして入れ、両面を焦げ目が少しつくまで焼き、キッチンペーパーに取る
  8. 鍋に油大1を熱し、干しエビ、ネギ、ショウガを炒め、豚肉を入れ色が変わるまで炒める。続いて、野菜を入れて油が回ったら、酒大1、熱湯200ccを入れる
  9. 塩適量、砂糖少量、ショウユ小1/2、コショウ、ガラスープの素小1/2、化学調味料少々で濃い目に味をつける
    注)この後、このタレをビーフンに吸わせるので塩辛いぐらいに濃く調節する
  10. ビーフンを戻し入れ、タレを吸わせながらかき混ぜて、水気がなくなるまで炒める。鍋底にちょっと焦げ付くぐらいまで炒めたら、ゴマ油小1を回しいれひと混ぜする
    注)たくさんのビーフンを炒めるのはけっこう大変だが箸など使って、鍋に焼き付けるみたいに香ばしく炒める
  11. 皿に盛って、白ゴマを振りかける
  • 野菜はありあわせのものを使う、何でもよい。豚肉、鶏肉、エビ、イカなどを下味をつけて油通しして加えると高級な感じになる
  • ビーフンをいったん焼いて使うのが面倒なら、そのまま使っても問題ない。ただ、やはりこうすると出来上がりの香りが違う
  • ビーフンはなかなかうまくほぐれないし、結局は鍋底に焦げ付くので、けっこう重労働な感じになるが、これはプロがやっても同じく大変そうである。頑張って、なるたけ「焼く」ようにする。ビーフンの量を少なくして1人前ずつ作れば、かなり楽になるとは思う
 

 

素菜蓋飯 (ス・ツァイ・ガイ・ファン)

野菜の中華丼

野菜だけで作るやさしい感じの中華丼である。干しえびをだしに使って、ショウユは入れず塩味で仕上げている。





作り方
  1. 干しえび大1.5をぬるま湯でもみ洗いした後、ゆるま湯50ccで戻しておく
    注)干しえびの表面には臭みがあるので必ず洗ってから使う
  2. キクラゲを戻して、洗って、水気をきっておく
  3. 白菜3,4枚を葉と芯に分け、芯部分はそぎ切りにする
  4. ネギ、ショウガは細切りにしておく
  5. 鍋に油大2ほど入れ、野菜を入れて油を回したら、塩大1/2と熱湯200ccを入れ、1分ぐらい炒め煮にして、ザルにあげる
  6. 鍋に油大1を熱し、干しえびとネギショウガを入れ、干しえびの戻し汁、酒大1を入れ、軽く炒めたら熱湯200ccを入れる
  7. 塩適量、砂糖少量、コショウ、ガラスープの素小1/2、化学調味料少々で味をつける
    注)中華丼なので味は濃い目に調節する
  8. 野菜を戻し入れ、水溶き片栗粉でとろみをつけ、ゴマ油小1を回しいれ、強火で底を焼いた後、ご飯の上にかけてできあがり
  • 野菜はありあわせのものを使う、何でもよい。豚肉、鶏肉、エビ、イカなどを下味をつけて油通しして加えてもよい
  • 火は終始強火である。ただのダシに塩を入れただけの味気ない味にならないコツは、常に強火で、鍋の温度を下げないことである。なので、お湯も熱湯を使うのである
  • 野菜を炒め煮して水を切って使う方法は、あとで水気も出にくく、油っこくもならずいい方法なんだけど、考えてみたら野菜のビタミンやらが逃げちゃうね。それが気になるときは、軽く油炒めしたあと、タレで煮るようにした方がいいかもしれない。あと、プロがよくやる方法として、野菜全部を油通ししちゃう、というのもあるが、大変だし、どうしても仕上がりが油っこくなる。ただ、味はこれが一番いいような気がする
 

 

魚香茄子 (ユイ・シャン・チェ・ズ)

ナスと挽肉の四川風煮

日本ではマーボーナスと一緒くたにされるけど、これは四川独特の「魚香」という味付けで作った料理である。豆板醤で辛みを出し、軽い甘酢をきかせるところに特徴がある





作り方
  1. ネギ15cmを荒みじん切り、ショウガとニンニクひとかけずつをみじん切りにする
  2. ナス5本を回し切り(乱切り)にして水につけておく
  3. 揚げ油を180度ぐらいの高温に熱して、ナスを揚げ、切り口が若干色づいたぐらいで油を切る
  4. 鍋に大2の油を熱する。強火のまま、挽肉100gを炒める
  5. あらかたほぐれたら、ショウガ、ニンニクと、ネギの1/3量を入れ、さらに炒める
  6. 火を弱くして、豆板醤大1/2を入れ、ショウユ大1、酒大1、砂糖小1を入れたら火を強くして炒めて香りを出す
    注)ここで焦げるぎりぎりぐらいまで炒めて香りを出すこと
  7. 熱湯150ccを入れ、コショウ、ガラスープの素小1/2を入れ、ショウユで味を加減する
  8. 注)熱湯を入れることでコクが出る
  9. ナスを戻し入れる
  10. 水溶き片栗粉でとろみを付ける
  11. ネギと、酢小2を入れ、かき混ぜて、強火で20秒ほど底を焼く
  12. ゴマ油小1/2を入れかき混ぜてできあがり
  • ナスを乱切りにする前に、皮を縦に1cm幅ぐらいで削いで縞々にしておくと、切ったあとがきれい。お客さんに出すときはそのようにしたりする。
  • 乱切りでなく、縦に8等分ぐらいに細長く切ってもいい
  • ナスは油を吸うので、あまり汚くない油で揚げた方がいい。揚げるのが面倒なときは、多めの油で炒める
  • ショウユと酒と砂糖と酢の割合は、3:2:1:1ぐらい、あくまで目安だが
  • 最後にネギと酢を入れることで両者の香りが加わり、格段に風味のよい仕上がりになる。ただし、この風味を立てるのは意外と難しく、温度と油の量、扱い方でずいぶん香りの質が異なる。練習しているうちにできるようになる
 

 

炒青菜 (チャオ・チン・ツァイ)

青菜の炒めもの

定番の青菜の炒めものである。ここでは、プロがやるのと同じプロセスで本格的に作ってみた。慣れないとけっこう大変だけど、やっぱり、こうやってちゃんと作ると仕上がりに差がつくね



作り方
  1. 小松菜一束を5cmぐらいに切って、洗って、ザルにあげておく
  2. ニンニクひとかけをみじん切りにしておく
  3. 鍋を空焼きして、油をなじませ、油を大2ほど残し、ここに小松菜を入れ、軽く油を回す
  4. 塩大1/2と熱湯を200ccほど入れ、1分弱煮て、小松菜に7割がた火を通す
    注)青菜によって時間を加減する。青梗菜などクタクタになりやすいものは時間に注意する
  5. ザルにあげてお湯を切る
  6. 鍋を乾かして、油大1を入れ、ニンニクを入れる
    注)ニンニクを焦がさないよう注意。焦がすとぺペロンチーノみたいな味になっちゃう
  7. 酒小2を入れ、小松菜を戻し入れ、塩少々、化学調味料少々で味を付ける
    注)酒を入れて鍋を傾け火をつけると、独特の風味がついておいしいのですが、非常に危険なので注意!
  8. 水溶き片栗粉少量で汁を止める
  9. 火を止めて、ゴマ油少量で香りをつけ、できあがり
    注)プロは青菜炒めにゴマ油はきつすぎるので使わず、鶏油や葱油を使う
  • ここでの作り方が、青菜炒めのプロ版である。見ての通り、かなりスピーディーにやらないと失敗する。調味料を常に手元に置いておくことが重要である
  • ビデオでは、酒に火をつけているが、慣れないうちは危険なので止めた方がいい。酒大1に火をつけると、1m近く炎が上がり、2、30秒は消えないので、初めてだとパニックになるおそれあり
  • ニンニクは色づけず、白いまま辛味だけを抜く感じで扱うこと
 

 

蕃茄湯 (ファン・チエ・タン)

トマトのスープ

トマトがあれば簡単に作れる、超即席スープ。あっさりしているので飽きが来ず、ちょっとスープでも、というときに重宝する




作り方
  1. トマト2個を湯むきして、3cm角ぐらいに切っておく
    注)きれいに仕上げたいときはここで種を取り除いておく
  2. ショウガ少量を叩いておく
  3. 鍋を熱して、油小2ぐらいを入れ、ショウガを入れた後、トマトを入れて強火で炒める
  4. 熱湯600ccを入れる
  5. 塩適量、ガラスープの素小1/2、コショウ少々、ゴマ油少量で味付けする
  6. 15分ほど弱火で煮出してできあがり
  • スープの素を使わずに、鶏ガラを煮出したスープで作ると本格的な味わいになる
  • 本格的に作るときは、副材料をもうちょっと入れるとお客さま料理になる。副材料は、キュウリ薄切り、フクロタケ、エリンギ、絹ごし豆腐、片栗粉をまぶした肉の薄切り、などなど。この場合はあまり煮込まない
  • スープ碗に注いだあと、荒挽きコショウを振りかけたり、香菜を乗せたりするとさらにおいしい