ボマルツォの怪獣庭園

石段を上ると、そのまま大口に食べられてしまうようになっている。

 

口の中には向かい合わせのベンチがあり、座って歓談できる。

 

ヘラクレスに無言で股を引き裂かれる女。

 

何かのトルソの名残り。

 

右の建物はわざと最初から傾けて作られている。左はおもちゃのようなお城。

 

顔が龍のような謎な動物に襲われる犬。

 

苔に半分埋もれた大口を開けた魚。緑は非常に鮮やかだ。

 

東洋とも西欧ともつかない変なボールを頭に乗せた大口。

 

龍と大口、そして西欧の森

 

 

解題



イタリアの真ん中へんのヴィテルボというところから少し離れたボマルツォという古い土地に、ボマルツォの怪獣公園というのがある。僕がここに行ったのはおそらく25年ほど前。この前、東京へ帰ったとき写真を整理していたら9枚だけ出てきたのでスキャンして、ここに載せておく。僕は記念写真にまったく興味が無いので、めったに撮らない上に、仮りに撮ってプリントしても、じきに捨ててしまう。この怪獣公園も、もっとたくさん撮った覚えがあるけれど、9枚しか残らなかったらしい。  

なんだか、昔のこの粒子が見える粗悪なボケたプリントが懐かしい雰囲気を醸し出している。

調べるとヴィテルボ駅からバスで30分とある。そのとき自分は歩いて行ったので単純計算して10km以上で、たしかに3時間ぐらいかかった覚えがある。GPSもネットもスマホもない時代なんで、粗末な紙の地図だけが頼りで、途中迷いはしたものの、よくも着いたものだ。帰りはヒッチハイクで駅まで送ってもらった。あのとき車が捕まらなければホテルには戻れなかったと思う。  

広い庭園に点在する奇妙な怪獣たち。周りを取り囲む木々や草の緑はヨーロッパならではの鮮やかさで、石像はその植物と苔の中に半ば埋没しかかったような状態で放置されている。実際、極めて美しい。前評判ほどおどろおどろしいものでもなく、一般的な観光地としては別にお勧めはしないが、古いヨーロッパの何かがここにはあり、それに触れることができるので、それ系を愛する人にはお勧めする。





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