コードの響きを加えたいくらかゴージャスなもの

譜面 

ここではギターの弦をもっとふんだんに使い、コード風の響きを持ったバッキングパターンを紹介する。いままではベースパターンとして2音の和音しか使っていなかったが、ここでは3から5音程度の弦を同時にはじきコード風に鳴らしている。1小節目にさっそく典型的パターンが出てくるが、ここでは5、6弦を親指で、3弦を人差し指、2弦を中指、1弦を薬指で弾く。このとき、1、2弦の高音については弾いたり弾かなかったり気まぐれに弦に触れるといった感じで弾くとニュアンスに広がりが出てよいであろう。記譜上では1弦開放の音は入っていないが、実際にはのべつ何となく鳴っている。コードがAのところも同じくそのようなフィーリングである。

ここでも前に出た小さな装飾フレーズを挿入している。このフレーズを弾くとき、親指のベースビートを休ませずに弾くのか、あるいはベースを一時停止してフレーズだけを弾くのかは気まぐれによる。記譜はしてあるが実際は適当である。

10小節目のAの部分ではベースランを全面採用である。これはAからEに至る7度の道のりを階段のようにほれほれと登って行くイメージである。この手のベースランをゴージャスなコードの響きの合間に挿入すると、すかっと晴れ晴れしてよいものである。ここでは8小節目の終わりにもAからBまで半音ずつ上がる短いベースランがある。

11小節目のターンアラウンドは和音風に作ったものである。ここでは4拍目、次の小節の1拍目を弾いた直後に弦を全てミュートして、1/3拍の無音状態を作り、真空エアポケット風のかっこよさをねらっている。