Jan 132012
 

前回、毎週水曜の夜のセミナー開催のアナウンスしましたが、人数が集まらず開催見送りになりました(応募いただいた方すみません)。

そこで、まずは皆様のご要望を聞いた上で、再度チャレンジしようと思います。以下についてもしご意見などあれば、この記事のコメント、このHPの掲示板、またはお問い合わせで直接私までお願いします。

  • 開催日: 平日夜、土日など
  • 開催時間: 2時間を1回、2時間を2回など
  • 開催回数: 数回に分ける、一回長時間で集中など
  • セミナー内容: 講義のみ、音出しながら、組み立て実習など
  • その他

よろしくお願いします! (上記、近いうちWebアンケート形式にします ^^;)

Nov 302011
 

真空管ギターアンプセミナー
「超初心者のための真空管アンプの工作、原理、設計まで」

セミナー開催のお知らせです。会場費とお茶菓子ていどの受講料で、対象レベルは超初心者から初心者です。一方的な講義のみではなく対話しながら行いますので、もし、日ごろ色々な疑問などある方なども、ぜひ一度、いらしてみてください。
当日飛び込み歓迎です~

日時: 12/11(日) 開場13:15 開始13:30~15:30
場所: 「SO!Suidobashi02」
〒101-0061 千代田区三崎町3-7-12 清話会ビル 3F(1F:PRONT)
地図: http://www.sharing.ne.jp/meeting/img/map_suidoubashi02.gif
・JR            水道橋西口改札 徒歩30秒
・都営三田線        水道橋駅A2出口 徒歩4分
・都営新宿線/半蔵門線   神保町駅A2出口 徒歩7分
・南北線/東西線      飯田橋駅A5出口 徒歩10分
当日連絡先: 090-9235-8536
費用: 2000円
申し込み先: お問い合わせへご連絡ください。わたくし林正樹に転送されます。

現在、受講者2人です。よろしくおねがいします!

Nov 202011
 

こんにちは~ 前回、Fujiyama Electricからアンプを販売する話をしましたが、今度はセミナー開催の知らせです。

とはいえ、われわれもこの手のセミナーは初めての経験なので、まずはリサーチとニーズなどを知るために、会場費とお茶菓子ていどの受講料で、受講したい人を募って試験的に始めようかなと思います。すでに、掲示板で連絡されたお一方が来られることになっています。

日時(予定): 12/11(日) 午後
場所: 水道橋のセミナールーム
費用: 2000~3000円

今回のセミナーの対象レベルは超初心者から初心者です。今回はリサーチの意味もあり、一方的な講義のみではなく対話しながら行いますので、もし、日ごろ色々な疑問などある方なども、ぜひ一度、いらしてみてください。

受講希望の方は、本ホームページの「お問い合わせ」でご連絡ください。わたくし林正樹に転送されます。

よろしくおねがいします!

Oct 302011
 

このコーナーであれこれ紹介している「古いブルースの音が出るチューブアンプ」ですが、とうとう製品化に目途が立ちました。ずいぶんと時間はかかったけど着実に進んでいたのです。それで、一週間ほど前に、第一弾が2台できてきました、コレです。

前の記事で紹介した僕が作った試作機に、ほぼ忠実に作ったものです。シャーシー製作と組み立て配線を業者さんに頼んでやってもらっています。できあがって見てみると、さすがきれい。奥の方に見えているように、黒いカバーがつきます。けっこう軽いので、持ち運びとかは楽かも。

さっそく家で音出ししてみたけど、やはり、かなりいい音がする。さすがに完全手配線で、ベーク版すら使わずに立体配線しているだけあって、とても抜けのいい、反応のいいアンプに仕上がってます。このアンプでギターを練習したら、うまくなりそう!

いま現在は、僕を入れて3人ぐらいで細々とやってますが、製品にして世に出すっていろいろな苦労があって、一つ一つ経験しながら進めるのって、発見がたくさんあって楽しい。

あと、ネーミングですが、メーカー名はFujiyama Electricに決定。それで、この第一号のアンプは、いろいろ考えたんだけど、まずは無難に「Blues Classic」ってことになった。

まずはライブバーに持って行って音出しして、そこに常駐にしてプロの方たちに使ってもらって反応を見る予定です。こんど11/7(月)に目黒TIMEOUTでライブをやるんですが、そこでも本番で使用するつもり。楽しみだな~

Fujiyama Electricの今後ですが、ほぼ同じような構成でベース用のチューブアンプを出すこと。あと、Fuzz Faceのやはり手配線版を製品化すること。それから小型軽量のミニ真空管アンプを試作すること、など。

よろしくおねがいします!

May 172011
 

ずいぶん間が空いてしまいましたが、ただの試作機じゃなくてもっと実用的なものを作ろう、っていう検討が進んでます。

今のところ部品の洗い出しをして、それに基づいて第一号機を試作がちょうど終わったところ。前回ライブで実際に使って、かなり音がよくてビックリしたんだけど、でも、あれって本当の試作機で、バラックに近い。なので、今回は、決定した部品で本番並みに組み直しました。製作が苦手な自分にとってこれは大変。。。

でも、GWにがんばってやったりして、ようやくこんなのが出来てます。

 

出力トランスがフェンダー準拠のやつになってます。以前はノグチのだったんだけど。横幅30cmの予定だったんだけど、そういうケースが無く、結局25cmになってるせいでちょっとせせこましい。小さいからいいと言うべきか、どうなのかは分からないですね~ ただ、裏面の配線はちょっと混み合ってる。コレです。

 

 

なんか、見た目、汚いですよね~ どうも、オレって整然とした配線が苦手みたい。

ただ、これってアース母線を張って、オーディオ的に最短配線になり、かつループ最小で配線した結果なのね。なので、よくある、「見た目は悪いけど味はいい」(笑)ってことになってるつもりです。つまり、オーディオアンプのノウハウで配線したギターアンプってこと。

結合コンデンサには割りといいものを使ったけれど、他の、抵抗、電解コンデンサーなどの部品は普及品を使ってます。特にオーディオ屋さんは部品にクラシックものを使ったり、いろいろですが、現代生産されている普及品の部品が結局信頼性も高くいいんじゃないか、との考えからです。線材も普通のものを使っちゃってます。この辺はこだわれば切りが無いんだけど、あっさりとまとめてみました。

さて、出来上がったアンプで弾いてみたんですが、回路がほとんど同じなので当たり前だけど、最初のバラックと同じ音で、いい音出てます。

近々にこれをライブバーに持ち込み、いま一度実地で使ってみて、それを最終チェックにして、それでOKだったら、これで最終実用版ってことにしようと思います。

この記事の前の記事にYouTubeの音源を載せましたが、かなり音は、いいと思います。独特な音がするので、こだわりの人は是非! と勧めたいですね~ ブルースもだけど、ジャズギターにもたぶんかなりいいんじゃないかと思う。あと、ベースを入れても、かなりいい音がします。ただ、ロックはダメだと思う~(笑)

Mar 242011
 

大震災で大変ですが、いかがお過ごしでしょうか。

前の記事で紹介した古臭いブルースの音がするアンプを、とうとう実践で使ってきた~! 震災後の3/19に、大倉山Muddy’sっていう中ぐらいのハコのライブバーでこれを使って演奏してきた。その夜はブルースナイトってことで3バンド出演し、僕らはトリ。ドラム・ベース・ギターの3ピースバンドで、ひずみとか踏まずにクリーントーンだけで演奏である。

まず、スピーカーはPeaveyの12インチキャビを使い、音量にちょっと不安があったんでマイクを立ててPAから少し出してもった。ギターは74年のボロいムスタングにたしか1弦が012ぐらいの3弦プレーンセットの中では一番太いやつを張った。ムスタングはショートスケールなので、それほどひどくテンションは高くなく、ちょっと力はいるけどまあまあチョーキングOKな範囲になるんだよね。

セッティングは、GAINが半分、MASTERは3/4ぐらいだったかな。それでオーティスラッシュのAll your loveを演奏したのが、これ。

単弦弾きの曲はこれ。Somebody loan me a dime

ついでにVOXのワウを踏んで演奏したのが、これ。ロバートジョンソンの32-20 Blues

なかなかいい音なんじゃないでしょうか。

というか、案の定というか、ふつうのギターアンプとはぜんぜん違う音だわ、これ。何と言ったらいいか、ギターマイクの出力がそのまま音になって出てる、というか、音に飾りがまるでなく、もちろんリバーブもついてないし、弾き手としてみると「隠れる場所なし!」みたいな感じ。このアンプは普段エフェクター漬けの人は弾くのムリかも。でも、ブルースマンには、この音は、けっこうウケると思うな~

演奏終わった後も、かなりたくさんの人からギターの音がいいと言われ、何人かのプレイヤーにこのアンプ欲しい、と言われた。売り出してみたら? なんて言う人もいたよ。

あと、リハスタジオにもこれを持っていってそのときはマーシャルのスピーカーキャビで鳴らしたけどホント独特の音だった。あと、ベースをこれに突っ込んで鳴らしてみたら、あら不思議、ベースの音もかなりいいみたい。うちのベーシストはこの音をいたく気に入ったようで、マジでこのアンプ購入を考えるって言ってる。

考えてみると、このアンプ、FenderのBASSMANに似てるっていえば似てるかも。回路とか。もう一度アンプの要点をまとめると以下のとおり

  • 初段はゼロバイアスで12AT7。この後GAIN。
  • 2段目は12AT7のもうひとつ。その後MASTER
  • 12AU7の古典式フェーズインバーター
  • 6V6GTの自己バイアスのプッシュプル
  • NFBなし
  • 結合コンデンサはほとんど0.1μFで、低域をほとんど削ってない
  • OPTは野口トランスの10Wオーディオ用
  • PTはフェンダーのChampのもの。119V用なので電圧は1割低い状態で使用

回路は1947年ごろのFenderがFenderと名乗る前のスティールギター用のアンプの回路に似ている。あるいは同じころのPAアンプに似ている。

うーん、これ、けっこういいかも。少なくともこんなチューブアンプはほとんどどこにも売ってない。かなりニッチなアンプである。

受注生産でも、するか~(笑)

Feb 192011
 

50年代ブルースアンプの続きである。

前回、6BM8を2本使って、3極管接続したオーディオアンプでギターを鳴らす試作アンプを紹介した。家で鳴らしたらいい感じだったけど、実地ではどうだろう、というところで終わっていた。

で、先日、ジャズのジャムセッションの現場に持ち込み、少しだけだけどドラムやベースと鳴らしてみたのだが、やはりダメだった。一言で言ってパワー不足。ジャズっぽい音楽であれば音量は大丈夫なんだけど、生ドラムに対抗できるまで音量を上げると、パワー段で歪んでしまうようで、せっかくのペラペラのクリーントーンが出ないのである。

これは単純にパワーが足りなく、ヘッドルーム不足っていうやつである。ということで、もう少しパワーをかせぐべく、6BM8を止めて、6V6GTの5極管接続してやってみた。これである。

6V6GTプッシュプルにした50年ブルースアンプ試作機

ま、見た目は6V6になっただけで一緒である。回路は以下の通りで、位相反転は一番アホっぽい古典式を採用している。わざと古臭い回路を使おう、という魂胆である。

6V6のデータシートによるとPPで15Wまで取れるようだ。しかし、組んでみて測定したら10Wをどうしても超えない。マックスでも12Wであった。このへん、なんか自分の理解の間違いがあるのかもしれない。まあ、それはいいとして、6BM8では7Wだったのが、こちらは10W。うーむ、ちょっと心もとない。15Wは欲しいところだ。

ちなみに測定ついでにBlues Juniorを測ってみたら15Wちょうどだった、さすが、スペックどおりだ。

さて、この6V6のブルースアンプで、家で少しだけ弾いて録音したのが以下である。

6V6ブルースアンプの音

こちらは、74年のボロムスタングをつないで、フロント・リアのミックス、GAINは半分で、VOLはうるさくないぐらいに絞った音である。これを聞いている限り、けっこう古臭い、Lowell Fulsonっぽい音がしている。というか、これってムスタングの生音そのものが出てる、って感じである。

あとはやはり、これで生ドラムと一緒にやったときにどうなるかであろう。ライブまでもう1ヶ月を切ってるんだけど、うーん、このアンプ持込で音量足りなかったらマイクで録ってPAから出そうかな~

パワーをもうワンレベル上げるには、真空管を6L6かなんかにして、そうなるとさらに、電源トランスと出力トランスをハイパワーにしないとNGだ。これは大変だし、カネかかるし、どうしようかな、ってところ。

それにしても、現状で、結局、1947年ごろにFenderがプロ向きに販売し始めた「Fender Pro Amp」のTV Frontの初期のバージョンの回路ほぼそのまま、ということになったね。結局、落ち着くところに落ち着くのかな~

ではでは、また進捗があったら報告します!

Jan 302011
 

例によって試作版のドブルース専用アンプ

これまたえらくマニアックでニッチなプロジェクトですいません、って感じ。ハイゲインミニアンプが途中のまま、こっちに手をつけちゃったので、まだあんまりまとまってないけど、まずはご紹介のみで失礼します。

なんでこんなことをやっているかというと、もう何回も出させてもらっている大倉山Muddy’sっていうライブバーがありまして、そこが去年からときどきBLUES NIGHTっていう企画をやってて、それに出たいなー、なんて思ってたんです。そしたら今年になってなにげにTwitterながめてたら、Muddy’sのTWEETが流れてきて「3/19ブルースナイトやります、出演者募集中!」とか書いてたんで、うお! ってばかりに、その場でTWEET返信で「林正樹、出ます出ます!」とツイッターエントリーしちゃったんです。

僕のメインのバンドはジミヘン調のブルースロックで、歪みを踏んでソロ、みたいな世界なんですが、実は、かなり前々から、いわゆる「どブルース」ってのをやりたかったんです~

僕はジミヘンに30過ぎで出会うまでは、黒人ブルース一本やりの典型的なブルース野郎で、ブルースロックですら認めない超偏狭なヤツだったんですよね。聞いたり演奏したりするのは全部、黒人ブルース、それも、1930年とかの戦前弾き語りブルース、あるいは1950年のシカゴブルースとか、そんなディープなのばっかり。

30過ぎてそれがイヤになっちゃったところにJmi Hendrixが救世主のように現れて、古い黒人たちのためのじゃなくて、オレのジェネレーションのためのJimiのブルースに出会い、頭をガツンと一発やられて目からうろこが十数枚落ちて、それで今に至る、なのです。

とはいえ、やっぱり自分のルーツの古い黒人ブルースを今、また、やりたい、という気持ちはずっとあり、いろいろアイデアを暖めてはいたんですね。でも、なかなかそれが実現しなくてね。で、新年になって、Muddy’sのアナウンス見て飛びついちゃったわけ。ライブ入れちゃえば、やらざるを得ないもんね。もっとも、バンド、まだ、無いんだけど(笑)

さてと。どブルースをやるからには、ギターの音をなんとしても「どブルース」にしたい、という気持ちが強く、ここでも紹介してるBlues Jrの改造版はちょっとダメなんだよね。あれはやっぱりなんだかブルースロックなんだわ。

というわけで、どブルースアンプが欲しいな、とあれこれ考えて、いま実験中で、それがこのアンプね。

話し始めると長いんだけど、上のこのアンプね、これただのオーディオアンプで、ギターアンプじゃないんです。なのでこのままCD出力入れていいスピーカーをつなぐと、けっこうオーディオ的にいい音がするんです。回路的には6BM8を2本使ったプッシュプルアンプでパワー段は3極管接続です。

結合コンデンサーのたぐいも大きな値を使ってギターアンプのように低域は削らない。さらに電源回路はシリコンで、チョーク使って、でかい電解コンデンサーを入れてレギュレーションをよくしてる。つまりあんまり信号を圧縮するコンプレスがかからないようにしてる。ホントは固定バイアスにしたいところだけど、とりあえず今のところ自己バイアス。参考までに回路はこんな感じ

カメラで撮った汚い回路図失礼! こんど差し替えます

まったく変哲ないオーディオアンプに3極管の電圧増幅が2段付いてる回路です。

いったいなんでこんなことやっていると言うと、いわゆるオーディオアンプにギターを突っ込んで弾いてみると、時々、わりと1950年代のブルースギタリストの音になったりする、という経験からです。

どんな音を目指しているかというと、こんな音です。

Reconsider Baby by Lowell Fulson

この音、変でしょう~? 録音は1950年あたりで、使ってるギターはたぶんフルアコ、で、アンプがまったくの謎なんだわ。このころの黒人ギタリストの、弾いているギターの情報は何となくあるので分かるんだけど、アンプは全然わかんないんだよね。いったいどんなアンプを使うとこんな音がするんだろう?? 音がぜんぜん伸びなくて、ダイナミックレンジが広そうで、歪んではいないけど何となくトップノートにちょっと歪みが乗って、独特だよね~

ってなわけで、この音を目指して現在、試作中ってわけです。上記写真のアンプでちょっと鳴らしてみたんだけど、なんかちょっと違う。でも、何となく、そのへんのギターアンプよりは近い気もする。難しいよね。うーん、どうすればあの音になるんだろう。

というわけで、このプロジェクトは始まったばかりですが、3/19にライブで使うというデッドラインがあるので、何とかそれまでになるといいな~

それでは、また!

Nov 202010
 

SOLDANOプリに6BM8パワーを組み合わせたハイゲインミニアンプの仮組み

前回はSOLDANO型プリアンプを試作して、けっこうマニアックな解析をしてみたが、今回はそのプリアンプに小出力のパワーアンプをくっつけて「ハイゲインミニギターアンプ」にするというプロジェクトへ発展させる話である。

さ て、ミニパワーアンプ部であるが、ミニアンプというと定番では6V6や6BQ5のシングルで5Wていどというのがポピュラーだけど、それじゃ面白みがない のでちょっと変わったのにしたい。となると、12AU7や12BH7など比較的電流をたくさん流せる双三極管をプッシュプルにして2Wから5Wぐらいまで 出してやるというのが思いつく。12BH7のプッシュプルは最近、かのUSAのギターメーカーのKendrickが出しているそうで、ちょっといい感じ だ。

しかし、まあ、三極管ってのもなんなのでやっぱり五極管にしようかっていうところで思いついたのが複合管の6BM8である。6BM8は 三極管と五極管が1本に入ったもので、これ一本でオーディオアンプなら構成できてしまうという便利な真空管である。オーディオ自作キットでは売れ線定番の TU-870ってのがあるがあれが6BM8を2本使ってステレオアンプにしている。

まあ、そんなこんなで6BM8って何だかアマチュアっぽい響きがあるんだが、それがかえってSOLDANOプリアンプにつけたらミスマッチで面白いような気がして、今回はこの6BM8を使ってみることにした。

回路は次の通りで、別になんということもないそのへんに転がっている6BM8の推奨回路をそのまま使っている。

6BM8パワーアンプ部の回路図。だいたい2,3Wと思われる

写真の通り仮組みしてさっそく鳴らしてみた。ちなみに出力トランスは東栄のT-850っていう2Wシングル用の小さなのを使っている。あと電源トランスはこれは仮で、フェンダーのChamp適合トランスでUSA仕様なので1次電圧が119Vで実は100Vで使うと電圧がそこそこ落ちている。

さて、スピーカーはBlues Juniorのものをそのまま使って、ムスタングを突っ込んで弾いてみたら、なかなかいい音である。まずはVOLUMEをだいぶ絞ってなるべくクリーンっぽくなる音で弾いてみたのが以下である。

VOLUMEが1ぐらいの少しだけクランチ

それにしても上の音源のように、VOLUMEを相当絞っても完全にクリーンにはならず歪むので、このSOLDANO型プリアンプそのものがそもそもクリーンで使う代物ではないのであろう。

お次はVOLUMEを半分ぐらいまで上げた歪みの音である。

VOLUMEが5ぐらいの歪み

半分でもこれなので、フルにするとやばい感じ。仮組みのせいもありフルにするとノイズがでかく壊滅的な音だ。まあ、そういう音でメタル系のリフは弾くものなのかもしれないが、メタルリフを知らないので弾けない。今度、練習して弾いて録ってみることにしよう。

まあ、それはともかく、なかなかいい音で鳴っているので、SOLDANOプリに6BM8のパワーってのも捨てたもんじゃない。ゆくゆくはきっちりと組んで製作記を書くことにしよう。

それでは!

Oct 312010
 

はじめに

Soldanoというアンプがあることは知っていたが、これまでほとんど縁がなかった。それでも何で知っていたかというと、友人に特注もののSoldanoのアンプを持っている人がいたからだ。彼のSoldanoは豪華にもキャビネットは全面ヘビ皮ばりで、その中身はエリック・クラプトンが使っていたのと同じものだそうだ。むかし、その友人宅に遊びに行ったとき、このSoldanoに65年のストラトをつないで弾かせてもらったことがあるのだが、えらくいい音でびっくりした記憶がある。

このSoldano、ずっと忘れていたのだが、あるときふとあの音を思い出し、それで、ほんの気まぐれにSoldanoの回路をネットであさって、ほとんどそのまま仮組みしてみた。それで、自分のムスタングをつないで鳴らしてみたら、おー! すごくいい音ではないか、ビックリ! Soldanoって実際は近代ハイゲインアンプらしく、ブルースギタリストの自分はあんまり関係ないと思ってたけど、やっぱりそんなことぜんぜん無く、再認識した。

と、いうことで、ここで、Soldanoの回路を組んで、鳴らして、測定などして、原理解明などもするプロジェクトを始めようと思う。Sondanoは、これまでの自分が手がけてきたFender基準の典型的な回路ともいろいろ異なっていて、いわゆるハイゲインアンプで特徴的な回路が使われており、なかなか勉強になり、面白い。

今回のSoldanoの回路

まず、今回仮り組みした回路は以下の通りである。赤い数字は各部の電圧の実測値である。

この回路を決めるにあたって今回参考にしたSoldanoのアンプは、「SLO-100」と「SUPER LEAD 60」の二つで、回路図は以下である。相変わらずでかくて見にくいが、後々のためにちゃんと載せておく。図をクリックして行けばオリジナル解像度で見られる。

■SLO-100:

■Super Lead 60:

今回は、まずプリアンプ部だけ組み上げて、その出力を仮に組んだ12AU7単管の0.2Wパワーアンプに突っ込んでギターアンプ用のスピーカーをつないでテストしてみた。それにしても、たった0.2Wでも6畳ぐらいの部屋でちょうどいいぐらいの音量になり、スピーカーの能率がいいと部屋弾きでうるさいぐらいである。「ハイゲインミニギターアンプ」って いう、よく分からんチューブアンプになっているわけだ。

ま、それはそれとして、このプリアンプ部に低周波信号発生器の信号を入れて、手持ちの韓国製の安物3万円オシロがあるので歪の様子を見て周波数特性なども測定してみようというわけだ。

あと、ミクシィのコミュニティで教えてもらったのだが、Soldanoはプリアンプだけ、というのも出しているそうだ。 以下である。

■SOLDANO Supercharger G.T.O.

これは一種のエフェクターとして使う代物のようだが、回路を見てみるとSoldanoのアンプのプリアンプ部そのままを取り出したものである。今回、はちょうどプリアンプ部だけ紹介するので、このSuperchargerを解析しているようなものである。

後々は、このプリアンプの後に小出力パワーアンプをくっつけて一体にしてミニアンプの製作記事でも書こうと思うが、今回のこの記事は、調査中心でちょっと専門的でマニアックで行ってみようと思う。

エレキギターの出力

さて、手持ちの低周波発振器の正弦波を入れてこれからオシロで見たりして行くわけだけど、たとえば、初段の12AX7に3Vppとかの信号入れてプレートの出力を見ると1段増幅だけで140Vppとかいうばかでかい信号が出てくる。まあ、12AX7の増幅器は50倍ぐらいなんで当然なんだけど、いやー、しょっぱなから、でかい!

ところでエレキギターの出力ってどれくらいだか、ご存知だろうか? 実は自分もよく知らない。

せいぜいピークで1Vか2Vぐらいかなあ、とかテキトーに想像してたのだが、いろいろ調べてもよくわからず、実際にオシロにエレキ出力を突っ込んで、ベンッベンッとかジャーンとか弾いて波形を見てみた。

もちろん正弦波じゃないんでよく分からないのだが、どうやら、思いっきりピークのときで、シングルコイルで1Vpp、ハムバッカーで2Vppぐらいみたいだ。

以上あまりにバカっぽいやり方なんだが、へーえ、そんぐらいなんだ、と思った。もし、このていどであれば、12AX7初段ではピークであっても ほとんど歪まないはず。思いっきりハイファイ増幅で、初段出力には100Vppぐらいのエレキギター生の増幅信号が出てくる、ってことになる。

初段の後にすぐGAINのVRが入るが、この信号のでかさから言って逆に2段目以降ではGAINをちょっと上げれば余裕で歪むことも分かる。

初段

手段は右のような回路である。まず、初段のゲインを測ってみた。そうしたら

55

だった。真空管はSOVTEKの12AX7WAである。出力の波形を見てみると、入力が3Vppぐらいから徐々にサインカーブの形が甘くなるが、4.5Vppでも、上下の頭がいくらか丸くなるていどで、それほどは歪まない。4.5Vp-p以上は手持ちの発振器(って、PCなんだが。。)が出ないので分からない。

それにしても、オーディオ真空管アンプのセオリーでは、グリッドの電圧が-0.7Vより大きくなるとグリッド電流が流れ始め、そのせいで歪んでしまうので使えない、と普通に書いてある。しかし、ここの12AX7の初段では、3Vpp入れてもほとんど歪まない。バイアスが1.4Vなので正弦波の片側はピークで+0.1Vまで上がっているはずなのにである。

ということで、このグリッド電流による歪みも、信号源のインピーダンスや真空管によってずいぶん事情が違うはずで、一概に-0.7Vという数値を信じなくてもいいようである。オーディオの世界では歪みは無条件に悪なので、ほとんど反省せずに-0.7Vを守ってフェールセーフで設計するので、こういう認識は無いのが普通だと思うのだけど、実際はそれほど単純じゃないのが、ギターアンプをやっているとわかるのが面白い。

さて、お次は初段の周波数特性である。

カソードバイパスコンデンサが1μFと小さいせいで低域が落ちる。160Hzぐらいで0.9倍(-1dB)になり、20Hzぐらいでだいたい半分(-6dB)になっている。 このカソードバイパスコンデンサによる低域落ちについては、こちらで詳しく書いてますのでどうぞ。

次に高域特性だが、グリッドに直列に68kΩの抵抗が入っていて、これが12AX7の入力容量とハイカットフィルタを構成し、これにより高域が落ちる。2.2kHzで-1dB(0.9)、10kHzで-3dB(0.707)、20kHzではおよそ半分(-6dB)になっている。

このグリッドに直列に入る抵抗だが、この後の段でもグリッドの入力部分に220kや470kとかけっこうでかい抵抗がシリーズに入っていて、これでかなり高域が落ちる。この抵抗は、意識的に高域を落としているという意味もあるだろうが、高域の発振止めや、放送電波の入り込みなどを防止する意味もある。

2段目

GAINのVRの後の12AX7である。

グリッドの470kの手前(VRの出)に4Vppを入れて測ると、出力が160Vppでゲインは40である。入力が4Vppを超えると上下ほぼ同時に歪み始める。右の写真は、入力に8Vppを入れたときの出力で、見ての通り上下にクリップしている(上が入力、下が出力、出力は190Vpp)

周波数特性は、面倒でちゃんと測っていなのだが、初段で書いたように、グリッドの抵抗で高域が落ちている。ここは470kというでかいのが入ってるんで、 けっこう落ちる。ざっと見てみたら5kHzぐらいでもう落ちている。12AX7の入力容量は100pF~150pFぐらいのようなので、計算上もそのあ たりになる。(f = 1/2πCR)

あと、例によってカソードバイパスコンデンサが1μFと小さく、ゆるやかに低域が落ちる。これは初段と一緒である。

3段目

この3段目はSoldanoで特徴的な回路である(他のアンプにもあるのかもしれない)。以下のような変な特徴のある回路だ。

(1)カソード抵抗が39kΩとやたら大きい
(2)しかもバイパスコンデンサがついてない
(3)プレート抵抗の100kΩの両端になぜか0.001μFのCがついてる

まず(1)だが、カソード抵抗がやたらでかいせいでバイアス電圧は大きく、実測で4.2Vぐらいで、いわゆるカットオフ領域に近いあたりで真空管を使っている。カットオフについてはここの解説を参照していただきたい。このページの図の、「バイアス点による歪みの発生」というやつの(C)点をバイアスにした状態で、この場合、出力波形は片側が歪む。検波回路みたいな感じになるのである。

グリッドの470kΩの手前に信号を入れると10Vp-pを超えると歪み始めるが、右の写真は30Vppを入れたときの出力波形である。みごとに上側がつぶれている。

次は前述(2)だ。でかいカソード抵抗にバイパスコンデンサがついてないのでゲインはいちじるしく落ちる。計算式はここにある。ここではおまけにカットオフ近くなので真空管そのものの電圧増幅率μも規格の100より低く、ダブルで増幅率が落ちる。

実測するとグリッドの470kΩの手前に10Vpp(グリッドのポイントでは6.7V)を入れたとき出力が14Vppで、ゲインは2ぐらいで、ずいぶんと、小さい。

最後に(3)だが、これは実はよく分からない。周波数特性に利くはずだが、測定してない。原理的に言えば、高域が落ちる。発振止め、という説もあるが、この回路で発振というのも考えにくいかも。

あと、ついでだが、この3段目の入力のところに470kが直列に、1Mが並列に入っているが、ここで信号レベルが分圧されて 2/3(=0.67)になる。たかだか0.67倍ていどのレベル落ちで、あんまり大勢に影響ない気がするので、なんとなく謎。

以上、変な3段目で、謎が多い。ただ、検波回路みたいな片側カットの出力を出すので、それが歪のトーンに影響する感じは、ある。ただ、これは後ほど書くが、ここで片側歪するよりはるかに先に、4段目で両側クリップしてしまうので、この非対称な波形は最終出力にはあんまり出て来ないみたいである。

4段目

4段目はふつうの回路だが、カソードにバイパスコンデンサが入ってないのでゲインは落ちる。ただ、ここのカソードバイパスコンデンサはSoldanoでは入っている機種もあるので、何ともいえない。実測するとグリッドの220kΩの手前に6Vppを入れると出力が150Vppで、ゲインは25であった。それで、この6Vppを超えると上下同時に歪み始める。

それから、入力6Vppで上下クリップ歪んじゃうんだが、この前の3段目の変な回路での歪始めのときの出力(つまり、4段目の入力)が14Vppだったから、3段目で歪むより先に4段目で上下クリップしてしまう。なので、実は、3段目でせっかくお茶目に片側歪した怪しい波形も、その形が出力に出る前に4段目で上下クリップしちゃうので、最終出力にはあんまり出てこない。もちろん、だからといって音に全然影響しない、というわけじゃないが。

どこでどう歪むのか

さて、歪み方については、前述と同じようなことが2段目と3段目でも言えていて、2段目が歪み始めるよりはるかに先に3段目が歪み始める。

ここでまとめると、GAINのVRを上げて行くと、まず4段目で上下クリップ、次に3段目で非対称クリップ、最後に2段目で上下クリップ、となって行く。

2段目で上下クリップし始めるころには、4段目で激しく上下クリップしているので、ほとんど方形波になっている。

あと、GAINのVRより前の初段だが、ここは、ギターの出力レベルで言うと、ピッキング時のピーク時の信号がつぶれる程度で、ピーク以外ではほぼ無歪みでギター信号を増幅する。

さて、以上、これらの歪みの推移の様子は、ただのサイン波形で検討しているので、実際のギター信号のどこがどう歪んでどんな音になるかは、まーったく分からない (って、何のための解析だ~ww)

歪みだけでなく、さらに、以下の周波数特性操作が各所に入っている

・カソードバイパス1μFによる、ゆるやか低域落ち
・段間の0.022μFによる、低域落ち
・2段目の手前の470kと0.002μの高域強調
・3段目の負荷抵抗両端の0.001μの高域落ち
・1,2,4段目のグリッドに入った抵抗と球の入力容量による高域落ち

これらが、各ステージで複雑に作用するので、実際の話、起こっている事態を正確に把握するのは、なんか不可能っぽい。 結局、このへんの回路の組み方や、CやRの値の選び方などなど、というのは、職人的カン(カンが嫌なら経験)による調整のたまものなのかもしれない。。。

Soldanoミニアンプ構想

今回はかなり専門的でマニアックな回路解析の話だったけど、次回は製作記でも載せることにしよう。

そうそう、自分はFuzz Faceを自作してそれを現用歪みに使ってるのだが、このFuzz Faceの2つのトランジスターの回路が、非対称歪み使ってるみたいなのである。Tr1のバイアスがずれてて片側歪みを起こし、この非対称信号をTr2に 送り込んでハードに上下クリップさせる、という原理なのである。この原理がこのSoldanoに似てるのもなんだか面白い。

さて、今のところの構想では、今回の、この回路の後にSondanoタイプのトーンコントロールとマスターボリュームつけてその後に、ミニアンプのパワー段をくっつけて「Sondano型ハイゲインミニアンプ」っていう変なコンセプトに基づくギターアンプにするつもりである。

ミニアンプのパワー段だが、12AU7を一本で0.5Wぐらい、あるいは12BH7を一本で1Wぐらいとも思ったが、どうも3極管を パワーに使うのはギターアンプセオリー上異質なんで、5極管かな、と思うと、6BM8はどうかな、などと思っている。これでパワーは2Wぐら い。

でも、うーん、Sondanoのプリアンプに6BM8って、カッコわりーー!!www

なんか、6BM8ってオーディオ畑では「初心者用の球」というイメージが出来てしまっていて、なんかショボイイメージなんだよね~ でも、たしか国内メーカーかなんかのギターアンプで6BM8を使った練習用アンプって、どっかで発売してたはずだけど。でも、やはり、もちろん練習用で、初心者用っぽいのは確か。

以上の先入観をものともせずに、12AX7を2本、6BM8を一本でコンパクトな「Sondano型ハイゲイン2Wミニアンプ」を作るってのは、製作記事的には悪くないかも。

もちろん、6BM8に入る前の、マスターボリュームの直後にライン出力端子を設けて、Sondanoをプリアンプとして単独使用できるようにしておけば、高価な「SOLDANO Supercharger G.T.O. 」と同じことになるので、そいつの自作ものとしても通用するわけだ。

ま、いつできるか分からないが、気長にやってみます~ ただ、以上構想は途中で変更可能性大だがwww