May 122013
 

スウェーデンに来てから10ヶ月目に突入して、そろそろ1年になる。真空管関係のものはなにせ重いので、あまりたくさん持って来れず、このサイトに載せているミニギターアンプだけはかろうじて今も使える状態にしているものの、オーディオ関係はさっぱりである。

日本では、リビング用と自分の部屋用に2つの真空管アンプを使っていた。リビング用は2A3のシングルで、トランス、チョークなども豪勢ででかくたぶん10キロ以上ある。部屋用は6V6GTのプッシュプルでこれまた豪勢な設計をしているせいで2A3アンプほど重くないだろうが、えらくでかい。両者ともけっこう音はいいはずである。特に2A3アンプは、ちゃんとした管球用スピーカをつないで、ついでに使っている球の2A3と12AU7をNOSかなんかのちゃんとしたのに替えちゃったりすれば、相当の癒しのHi-endアンプになりそう。

とまあ、そういうわけなんだが、でかくて重いものは持って来れないので日本に置きっぱなしで放置されている。実にもったいない。今度、思い切って売っちまおうかなと思わないでもない。

そんな状態でスウェーデンに住んで、結局、自分は音楽をほとんど聴いていない。実は自分は音楽を日常的にかける習慣がなく、ときどき思い出したように聞くていどなので、音楽なしで生活ができてしまう。それもあって、ここ10ヶ月はほとんど音なし生活である。もちろん、YouTubeやインターネットラジオでときどき思い出したように聞くことはあるけど、パソコンやスマホから流れる音は、BGMだとしても音がショボイのですぐイヤになってしまう。

それで、ついさいきん僕のスウェーデン暮らしが少なくとも今年いっぱいまで延びることが決定したので、ふーむ、さすがにまだしばらく暮らすんだったら音楽が聞きたいときに聞けるようにしておこうかな、と思い始めた。実際にはそんなの簡単なことで、電気屋にでも行って安値のプラスチックオーディオを買ってくりゃいいのだ。もし僕が音なしには暮らせない人間ならすぐにでもそうするけど、さっき書いたように音なしで大丈夫な自分なので、それでも音楽を聞くとなるとちゃんとしたオーディオの音じゃないとなあ、と思うのである。

申し訳ない、ただのブログになっちゃった(笑) それで本題だけど、オーディオ環境を整備しようと思い立ったという話である。

それで真空管オーディオアンプの構想をあれこれ始めた。実に久しぶりである。構想段階というのは実はけっこうに楽しいもので、ぼんやりしている時間とか、自転車乗ってるときとか、散歩してるときとか、ああでもないこうでもないと、ずーっと考えている。

実は僕のアンプの構想設計というのはぜんぜん工学的ではなく、トータルとしていいコンセプトが構想できるかどうかが一番大切なことで、実は一番大切だと思われる「音」についてはあまり大きなウェイトを占めないのだ。ネットを見ると、真空管オーディオアンプを自作しているアマチュアはすごくたくさんいて、日本では真空管オーディオの層はかなり厚いと思う。で、それらの人たちは多かれ少なかれ元々工学系の人が多いようで、パソコンなどにも抵抗がなかったりするので、みなせっせとパソコンでホームページ作って自作アンプを解説付きで公開している。

それらのサイトを見てみると分かるけど、大半の人たちが工学的な意味での「音」を追求している。そして満足できる「いい音」が、真空管をはじめとする電気部品の電気的な結合によって得られている、という前提で構想、設計、製作をやっている。もちろんそれでいいのだし、それで世の中発展してきたのだけど、こと真空管アンプいじりについては僕はこういう行き方をしない。ではどうかというとほぼ反対向きで、電気部品が先にあって、それがいい感じになるようにいろいろ組み合わせて、それで組み立てて出てきた音が成功だったり失敗だったりする、という行き方である。

まあ、当たるも八卦みたいなものか、あるいは目的をはっきりさせずに遊んでいるか、そんなところである。自分は仕事が工学なので、たぶん、そのせいもあるのかもしれない。そういう工学的な「目的縛り」は仕事でさんざん経験しているし、従わないと上へいけないし、わりと仕方なしにやっているので、好きなことを単にやっている場でも同じことをしたくない、というのがあるのかもしれない。

おっと、またまたブログの文になっちまった。いつになったら本題に入るんだ、え?

本題のオーディオアンプであるが、今のところ、オーディオアンプとしていい音で鳴ってくれて、かつ見た目もあるていどいい感じで、そのままこっちで売り物になるような感じにまとめたいと思っている。

実は、こっちに一人友人がいて、彼が小さなローカルレコード屋をやっているので、最後にはそこで売れるような完成度で仕上がったらいいなと思う。あわよくば彼と一緒に商売につなげたい、なーんて思っているのである。ここVisbyは超観光地で、特に夏場は大陸からバケーションでお金持ちがたくさん来るので、その人たち目当てで真空管オーディオはわりといいんじゃないかと思うからである。もっともビジネスをまともにやる気はないけど、外国での小商いぐらいは想像すると楽しいではないか。

とか何とか考えはじめたら、どこで思いついたんだか、エレキギターも弾けるようにしたいなと思い始めた。オーディオもギターも同じアンプなんで、両用にするのはそれほど難しくないけど、なんだかんだでいろいろスイッチをつけたり真空管を増設したりしないといけないので、先ほどの売り物にもなるオーディオアンプ、という趣旨から外れてしまう。なにかうまい手を考えないといけない。

今のところ構想はここまでだ。

あと、当のオーディオアンプだけど、あれこれ考え、今のところ次のような回路で行こうかと思っているが、突然がらりと変わるかもしれない。

  • 6BM8の3極管接続のプッシュプル。固定バイアス
  • 3極管の一段増幅のあとPK位相反転
  • 無不帰還
  • パワートランスはギターアンプ用を使い、整流管。5Y3がいいかな。
  • 出力トランスもギターアンプ用にしてみたい

ここで、OPTにギターアンプ用を使うなどというのは実際、オーディオ屋から見ると言語道断であろう。ギターアンプはエレキギターの音域に最適化設計されているので、オーディオの広帯域とは逆であり、当然、トランスなどの部品もナローバンドに決まっているし、オーディオで使ってもロクな音がしないだろう、と思われているからである。

しかし、本当にそうなんだろうか。ちょっとネットでギターアンプ用OPTについて調べてみたけど、どうもはっきりした事実が出てこない。たしかにギター用は周波数特性が少しナローだけど、それほど言うほどはナローになっていない。ギター用のOPTはわざわざナローに設計する、という事実も出てこない。逆に、ギター用はナローでいいので、パワー耐性には留意して、あとは安く上がるようにコアボリュームや巻き線や巻き数を決めているらしい、ということが分かるぐらいである。この辺は、トランス製作に詳しい人に教えてもらいたいところだ。

ギターOPTのパワー大きめのものを低出力アンプで使う、っていうのがどうなるかやってみたいところ。10Wアンプに30Wのトランスつけたり。ギターOPTはオーディオに比べてそれほど高価じゃないのでそれができるかな、って思ったりしている。

まあ、もちろんギターアンプOPTを使ってしまったら、万能なオーディオアンプにはならないだろうが、それなりに別次元のオーディオアンプになるかもしれない。そう想像できないだろうか。

などなど考えている。えーと、走り描き回路図を載せて、初回はこんなところで! 進展したら、また!