ナポリタン

昔、喫茶店のマスターをやってた知り合いがいて、その人から聞いた話。昼下がりの、客の少ないある日、ちょっとむさい感じの変なやつが店に入ってきて、ナポリタンをたのんだそうだ。で、ナポリタンを作って、その人のテーブルにタバスコと粉チーズと一緒に置いた。そしたら、その人、まず粉チーズをかけ始めたのだけど、それがいつまでもかけてて、とうとう空になるまで全部かけてしまい、ナポリタンの上に白いチーズがうず高く乗っかってる状態になった。マスター、カウンターの中で面白いからそのままどうするか見ていたそうだ。そうしたら、粉チーズを全部かけてしまうと、こんどはタバスコをかけるわけだけど、これがまた、いつまでもいつまでもかけてて、とうとうひと瓶ぜんぶかけてしまった。で、どうするか見てたら、おもむろに食べ始めたのだけど、2、3口食べたら変な顔して、それ以上食べず、そのうち「すいません」と呼ぶのでその人のところへ行ったら「これ持ち帰りたいんですけど」と言ったそうだ。で、マスター、そのタバスコで真っ赤になったチーズとナポリタンをビニール袋にドサドサってあけて口を縛って、お勘定したあと、はい、って渡したら、「ありがとうございます」ってお礼を言って出て行ったそうだ。ヘンな人もいるもんだ。

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